ブラック・ミュージック名曲9選!星野源も影響を受けたアーティスト

星野源ってブラック・ミュージックっぽいって聞くけど、どのへんが?そもそもブラック・ミュージックってどんなもの?といった疑問にお答えするため、星野源とそれっぽいアーティストの比較、影響を受けた名曲9選、さらにはブラック・ミュージックの歴史入門編も用意しました。

ブラック・ミュージック名曲9選!星野源も影響を受けたアーティストのイメージ

目次

  1. 1ブラック・ミュージックの影響力は世界的
  2. 2星野源の楽曲に似たブラック・ミュージック
  3. 3[おすすめ名曲]星野源が影響を受けたアーティスト:2000年代編
  4. 4[おすすめ名曲]星野源が影響を受けたアーティスト:スーパースター編
  5. 5[おすすめ名曲]星野源が影響を受けたアーティスト:ソウルクラシック編
  6. 6華麗なステップのブラック・ミュージック
  7. 7色っぽいボーカルのブラック・ミュージック
  8. 8ボーカル・ギターなブラック・ミュージック
  9. 9ブラック・ミュージックの歴史:入門編
  10. 10まとめ

ブラック・ミュージックの影響力は世界的


星野源さんにブラック・ミュージックの影響がみられるかという話の以前に、ブラック・ミュージックに影響を受けていないポップソングなど、ほとんど存在しないといってよいでしょう。

ビートやシンコペーションを強調したリズム、ロック、ソウルやファンクなどのスタイル、シャウトやフェイクを自在に操るボーカル、これらは全てブラック・ミュージックの長い歴史の中から生まれました。

世界中のアーティストがブラック・ミュージックのそんな刺激的なサウンドを取り入れながら、現代に至るまで独自に発展継承させていったものが、現代のポップソングともいえるのです。それは日本のシーンも星野源さんも例外ではありません。

星野源の楽曲に似たブラック・ミュージック


宇多田ヒカル、忌野清志郎、ウルフルズ、山崎まさよし……。ブラック・ミュージックの影響を色濃く感じさせる日本のアーティストは枚挙に暇がありません。最近ではsachmosや在日ファンク、秦基博などの若い世代が、これまでの日本のアーティストよりも巧妙にブラック・ミュージックのスタイルを取り入れています。

星野源さんもまたその新しい世代の日本のアーティストのひとり。ボーカルスタイルや楽曲の雰囲気、その端々にブラック・ミュージックの影響が見られます。

ただ、その影響に溺れることなくエッセンスだけを巧みに利用することで、優しくもひねくれた自身の魅力を見事に表現しています。

ここではそんな星野源さんの代表的な楽曲から、そのエッセンスをうかがわせるソウルクラシックを選んでみました。

ほんわかミディアムソウル:Family SongとMidnight Train to Georgia


星野源さんの『Family Song』とグラディス・ナイト&ザ・ピップスの名曲『夜汽車よジョージアへ』。

どちらもミディアムテンポでゆったりと進みながら、ゴージャスなストリングやホーンが差し込むあたりが共通しています。ソウルの常套手段ともいえるスタイルです。

星野源さんはこのほんわかあったかいスタイルを用いながら、なんとも日本人の琴線に触れるメロディでまとめています。

うきうきソウル:SUNとI Want You Back


星野源さんの『SUN』とジャクソン5の『帰ってほしいの』。

星野さんの『SUN』に見られる軽快なギターカッティング、弾むようなリズムやブレイクのタイミングなど、名曲『帰ってほしいの』と非常に似通った雰囲気を醸し出しています。

ちなみにジャクソン5は、星野源さんが敬愛するマイケル・ジャクソンの在籍していたグループです。

ゴージャスなディスコサウンド:Week EndとSeptember


星野源さんの『Week End』とアース・ウィンド・アンド・ファイアーの『セプテンバー』。

1972年、名盤『ヘッド・トゥ・ザ・スカイ』でゴールドディスクを獲得し、そのファンクスタイルで一斉を風靡したアース・ウィンド・アンド・ファイアー。全盛期はディスコといえばアース、というぐらいの人気を誇っていました。

名曲『セプテンバー』を歌うアースには、そのきらびやかサウンドのみならず、ゴージャスなステージングにも星野さんとの共通点を感じずにはいられません。

[おすすめ名曲]星野源が影響を受けたアーティスト:2000年代編


ここでは星野源さんと年の近い、現在進行形で活躍するアーティストを取り上げます。

特にディアンジェロやブルーノ・マーズに関しては、星野さんの言及も多く見られ、影響の強さをうかがわせます。

同時代のアーティストだけあって、サウンド的に似たところがわかりやすいですね。

おすすめ名曲[1]:ディアンジェロ『ブラウン・シュガー』


1995年にデビューしたディアンジェロは、70年代のニュー・ソウルの感覚を現代のヒップホップスタイルに取り込んだ姿勢が人気を呼び、2000年の名盤『ブードゥー』でその名声を不動のものとしました。いわゆるネオソウルの代表的存在です。


ディアンジェロの魅力を「暗くてまったりしているんだけど飽きない。ビートがフレッシュ。だからどれだけダルダルの曲でもノリノリで聴いていられる」と紹介。

おすすめ名曲[2]:ブルーノ・マーズ『ザッツ・ホワット・アイ・ライク』


ブルーノ・マーズはプエルトリコ系ながら、幼少の頃からブラック・ミュージックに傾倒し、いまやマイケル・ジャクソン亡き後空席となっていた、世界的ポップアーティストの座を狙える人物と目されています。名盤と誉れの高いアルバム『24k magic』を引っさげ日本に来日した際、星野源さんと対談もしています。

おすすめ名曲[3]:タキシード『ドゥ・イット』


2014年にデビューしたタキシード(Tuxedo)はメイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンによるディスコ&ファンク・ユニット。

ふたりとも白人ではありますが、そのサウンドはブラック・ミュージックそのもの。てらいのない80年代サウンドへのリスペクトぶりが、星野源さんの姿勢とダブります。

[おすすめ名曲]星野源が影響を受けたアーティスト:スーパースター編


星野源さんが憧れのアーティストと語るマイケル・ジャクソン。楽曲やステージングなどで強い影響の感じられるアース・ウィンド・アンド・ファイアー。そしてプリンスといった、スーパースターと呼ぶにふさわしい世界的な人気を誇った三人をまとめています。

最近星野源さんはシンガーソングライターとしてだけでなく、俳優業やバラエティ番組などでお茶の間の露出が高くなっていますが、それは彼らのようなスーパースターとなるための布石なのかもしれません。

おすすめ名曲[4]:マイケル・ジャクソン『ロック・ウィズ・ユー』


マイケル・ジャクソンは、日本人でさえ誰もが知っているほどの世界的ポップアーティスト。

名盤『スリラー』は史上最も売れたアルバムとしてギネスブックに認定され、その記録は今も破られていません。

復活ツアーの直前、50歳の若さで亡くなりました。ブラック・ミュージックの歴史に大きな足跡を残したアーティストでした。


そんな田舎の片隅で、テレビでマイケル・ジャクソンを見て凄くカッコいいと思って憧れてました。踊ることも大好きだったし、なおさら。

おすすめ名曲[5]:アース・ウィンド・アンド・ファイアー『ブギ・ワンダーランド』


アース・ウィンド・アンド・ファイアーは70年代のファンク/ディスコサウンドを象徴する、日本でも非常に人気の高いグループ。

名盤『暗黒への挑戦』は全米一位となるなど、アルバムの総売り上げは9000万枚に達するといいます。

おすすめ名曲[6]:プリンス『アップ・タウン』


プリンスは名盤『パープル・レイン』を発売初週で100万枚売り上げたほど、80年代に絶大な人気を誇ったアーティスト。

ジェイムズ・ブラウンやスライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンなどの影響を感じさせつつも、同時代のどのアーティストとも一線を画した、独自のサウンドを構築していました。またそのセクシャルな歌詞も魅力のひとつでした。

ライバルともいえるマイケル・ジャクソンと同じく、彼もまだまだこれからというときにこの世を去っています。

[おすすめ名曲]星野源が影響を受けたアーティスト:ソウルクラシック編


星野源さんはリアルタイムなアーティストばかりでなく、後追いで知ったようなブラック・ミュージックの影響もうかがわせます。

もちろん彼のサウンドは最新の装いをしていますが、そのルーツに対するリスペクトがあるからこそ、流行り物的な軽薄さのない安定感を保っています。また、その音楽的な幅広さが、彼の包み込むような音楽性に昇華しているともいってよいでしょう。

では温故知新、星野源さんが影響を受けたソウルクラシックのアーティストをささっとみていきましょう。

おすすめ名曲[7]:アイズレー・ブラザーズ『ハーヴェスト・フォー・ザ・ワールド』


アイズレー・ブラザーズは時代に合わせスタイルを変化させながら、50年代から今に至るまでコンスタントにヒット曲を放っている歴史的かつ驚異的なソウルグループ。

この曲は1976年、名盤といわれる同名アルバムからのシングルカット。フォーキーなアコースティックギターが特徴的なニュー・ソウル仕立てにしていますが、この時すでに彼らのキャリアは20年に及んでいます。

おすすめ名曲[8]:アイズレー・ブラザーズ『ディス・オールド・ハート・オブ・マイン』


ニュー・ソウルな『ハーヴェスト・フォー・ザ・ワールド』のちょうど十年前の1966年のヒットがこちら。

『ディス・オールド・ハート・オブ・マイン(This Old Heart OF Mine)』はタムラ(モータウンのサブレーベル)から発表された、ドリーミンなソウルポップ。ロッド・スチュワートによるカバーも有名です。

おすすめ名曲[9]:ブルース・ブラザーズ『エヴリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ラブ』


ブルース・ブラザーズ(The Blues Brothers)はジョン・ベルーシとダン・エイクロイドの俳優二人によるグループ。

セットリストはすべて古き良きブラック・ミュージックのカバー。アメリカの人気コメディショーから派生し、のちに映画にもなりました。星野源さんは小学生の頃にその映画を見ており、音楽と俳優を両立させる自身の活動の原点がここにあると語っています。おそらくソウルクラシックを遡るきっかけにもなったのではないでしょうか。


今考えると、ものすごく小さい、小学校の低学年ぐらいのときに親にブルース・ブラザーズを見せられて、それに意外と全部詰まっているんじゃないかと思うんです。

華麗なステップのブラック・ミュージック


星野源さんといえば、「恋」ダンスでもおなじみ。PVやステージでも積極的にダンスを取り入れています。

彼のルーツであるマイケル・ジャクソンの影響が大きいと推測しますが、そもそもブラック・ミュージックはダンスための音楽という側面も持っています。ブラック・ミュージックの歴史はストリートダンスの歴史といっても過言ではないくらいです。

そこでかつてのスターたちの華麗過ぎるステップを振り返ることで、その歴史を垣間見てみましょう。

マイケルもプリンスも憧れたジェイムズ・ブラウンの華麗なステップ


ソウルの帝王、ジェイムズ・ブラウンはダンスも超絶でした。滑らせるような足さばきや股割りパフォーマンスは、のちのマイケル・ジャクソンやプリンスのダンスに多大なる影響を与えています。

元祖恋ダンス?テンプテーションズの振り付けステップ


見てくださいこの振り付け。恋ダンスのルーツといっても過言ではありません。

若干もっちゃりしていますが、大の男が振り付けに合わせて踊るかわいさは、大いに通じるものがあります。

色っぽいボーカルのブラック・ミュージック


星野源さんは、どことなく色気のあるボーカルにも魅力があります。色気のあるボーカルといえばやっぱりブラック・ミュージック。この声で女を落とすぜというぐらいの意気込みが感じられるボーカルばかりです。

そこまでの気迫は正直星野さんからはうかがえませんが、それでも語尾のフェイクやファルセットの多用など、テクニック面でもブラック・ミュージックの影響がみてとれます。

それでは女を落とすブラック・ミュージックのボーカルを、二つほど堪能してもらいましょう。

緩急つけまくるアル・グリーンのゴスペルスタイル


アル・グリーンは1970年代、ハイ・レコードからヒット曲を連発したシンガー。

ゴスペル仕込のテクニックで、高低緩急自由自在に声を操りセクシーに迫ります。


バリー・ホワイトもまた70年代に活躍したアーティスト。

耳元で囁くかのように、ドスの利いた低音でねっとりと歌い、当時の妙齢女性をパニックに陥れるほどの人気を博しました。

ボーカル・ギターなブラック・ミュージック


ギターを弾きながら歌うことも多い星野源さん。そもそも彼はソロデビュー前にSAKEROCKというインストゥルメンタルバンドでギターを担当してました。

ギターを弾きながら歌うブラック・ミュージックのアーティストは、ブルース・ミュージシャンを除けばあまり多くはありません。しかしながら、ボーカリストとしてもギタリストとしても高く評価される二人を忘れてはいけません。

ブラック・ミュージックの歴史からも外すことが出来ない重要ボーカル・ギターアーティスト、それがカーティス・メイフィールドとジョージ・ベンソンです。

小気味良いサイドギターとファルセットボイスのカーティス・メイフィールド


50年代から活躍し、70年代にはニューソウルの代表格としてシーンを牽引したカーティス・メイフィールド。

その抑制を効かせつつも効果的なサイドギターは、ジミ・ヘンドリックスや日本の山下達郎にも影響を与えました。ユニークなファルセットボイスも彼のトレードマークです。

華麗なジャズギターと色っぽいボーカルのジョージ・ベンソン


元はジャズギタリストとして活動していたジョージ・ベンソン。

1976年の名盤『マスカレード』で初めてその魅力的なボーカルを披露、以降はジャズ・フュージョンとコンテンポラリーシーンとを行き来する活躍をみせました。

ブラック・ミュージックの歴史:入門編


ここまで見てきたように、ブラック・ミュージックとひとくちにいっても、そのスタイルは多種多様。なぜここまでバラエティ豊かに発展していったのでしょうか。

それを知るために、ブラック・ミュージックの歴史的成り立ちに目を向けてみましょう。ここでは入門編としてざっと簡潔にその歴史を紐解き、ブラック・ミュージックがいかに発展したかをみていきましょう。

入門その1:ジャズとリズム・アンド・ブルースの誕生


ブラック・ミュージックはアメリカ南部の黒人奴隷の音楽から始まりました。長い熟成期間を経て、それはブルースへと分化し、そこからさらに発展していったジャズは、1920年代から1940年代に隆盛を極めました。

また黒人コミュニティのローカルなシーンでは、やはりブルースをルーツとしたリズム・アンド・ブルースが、都会向けのジャズと交差しながら形成されていきます。
 

入門その2:ソウルとロックンロールの誕生


1950年代になると、リズム・アンド・ブルースはより庶民的でティーンエイジャーにも訴求するジャンル、ドリフターズなどのドゥーワップや、チャック・ベリー、リトル・リチャードなどによるロックンロールなどのサブカテゴリーを生み出していきます。

また、レイ・チャールズやジェイムズ・ブラウンなど、現在も影響与え続けるアーティストが次々にデビューしており、今に直接通じるブラック・ミュージックという視点であれば、このあたりから歴史を始めても良いでしょう。

入門その3:ブラック・ミュージックの栄光と挫折


1960年代に入ると、モータウンやスタックスなどのレコードレーベルのアーティストが、海を越え世界中の若者の心を捉えます。ビートルズやローリング・ストーンズなど当時人気のあったイギリスのミュージシャンたちは、口を揃えてブラック・ミュージックの影響を公言しました。

しかしベトナム戦争や黒人公民権運動の激化がアメリカに影を落とし始めると、同調するようにブラック・ミュージックもまた社会的メッセージや内省的なサウンドを要請され始めます。

入門その4:ニューソウルとファンクの隆盛


1970年代にはマービン・ゲイやスティービーワンダー、ドニーハサウェイなどがより社会的で内省的な歌詞を盛り込み、ブラック・ミュージックをさらにバラエティ豊かなサウンドに発展させます。

また、ジェイムズ・ブラウンやスライアンドザ・ファミリーストーンの影響下で、Pファンクやオハイオプレイヤーズなどがいわゆるファンク・ミュージックを確立しましたが、より商業的なディスコミュージックへ展開するにつれ、ブラック・ミュージックはかつての新鮮さを失っていきます。

入門その5:ブラック・ミュージックの挫折と再生


1980年に入ると、ディスコサウンドに辟易した若い黒人たちが、楽器が出来なくても作れる音楽、ヒップホップを開発します。ファンク・ミュージックをサンプリングすることでブラック・ミュージックに新しい息吹を吹き込んだヒップホップは、若い黒人コミュニティを席巻していきます。

その人気はマイケル・ジャクソンやホイットニー・ヒューストンといった、人種や国を越えた黒人ポップスターに対する反発でもありました。

かつてないほどの音楽的自由度があったことから、ヒップホップはさまざまに分化していき、もはや人種も関係ないほどの発展を遂げ、今に至ります。ハワイ出身のプエルトリコ系であるブルーノ・マーズが、今のブラック・ミュージックを代表する存在といわれるのは、その意味で象徴的な現象といえます。

まとめ


ブラック・ミュージックと星野源との共通点を突き詰めていくと、お互いの気持をシェアしたいと願う共感性に辿り着きます。

ブラック・ミュージックのエンターテインメント性の根幹には、いつも共感がありました。楽しさをシェアするためにダンスミュージックを作り、愛の喜びや悲しみを分かち合うためにラブソングを作ったのです。内省的な時代もありましたが、それでも同じように傷ついた人々とその気持をシェアしたいという思いから作られています。

もちろんこれはポップソング全般にもいえることです。しかしブラック・ミュージックの素晴らしいところは、そういったストレートな感情表現が、いつの時代も新しい形を取って表現され続けてきた、という点です。もっと感情的に踊りたいと思えばリズムをより強化したファンクを作り、もっと世の中に物を申したいと思えば歌詞をてんこ盛りにできるラップを作る、といった具合に。

一方、星野源さんもまた、従来の方法論によらない彼ならではの視点で共感を集めています。そんな星野さんとブラック・ミュージックとの相性の良さは結局のところ、いかにみんなと時間を共有するかという点で目的を同じくしているからといえます。

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