世界一美しい鳥『ケツァール』が鮮やかすぎる…!火の鳥のモデルにも

コスタリカに棲む世界一美しい鳥とされるケツァール。見たものは幸せになれるというこの幻の鳥は、多彩なグラデーションの羽毛を持ち人々を魅了しています。コスタリカでは非常に重要な鳥であるケツァールを、美しい姿の画像や動画を交えてご紹介していきます。

世界一美しい鳥『ケツァール』が鮮やかすぎる…!火の鳥のモデルにものイメージ

目次

  1. 1コスタリカに棲む世界一美しいといわれる鳥ケツァールとは
  2. 2美しい鳥ケツァールの画像
  3. 3美しい鳥ケツァールの動画
  4. 4美しい鳥ケツァールが棲むコスタリカは自然の動物園
  5. 5ケツァールの名の由来とは
  6. 6ケツァールが美しいのなぜ?
  7. 7コスタリカに棲む美しい鳥ケツァールの生態は?
  8. 8コスタリカでケツァールが将来見られなくなってしまう?
  9. 9ケツァールはコスタリカの隣国グアテマラでも重要な存在
  10. 10コスタリカの鳥ケツァールがモデルとなった「火の鳥」とは?
  11. 11コスタリカへ美しい鳥ケツァールを見に行くには
  12. 12日本ではケツァールを見ることはできないのか?
  13. 13まとめ:コスタリカの美しい鳥ケツァールは国の財産

コスタリカに棲む世界一美しいといわれる鳥ケツァールとは

出典: http://hiroba.main.jp

ケツァールの画像

世界一美しいケツァールはパソコンの壁紙にも多く使われています。

世界一美しいといわれる中米の鳥ケツァールはキヌバネドリ科の鳥で、英語ではResplendent Quetzal(輝くケツァール)、和名ではカザリ キヌバネドリと呼ばれます。
ケツァールの体長は35cmほどで、全身を翡翠色に近い緑を基調とした鮮やかな色の羽で覆われており、胸から尾にかけては深紅の綺麗な羽毛が目を引きます。
特に雄の場合は2本の長く伸びた飾羽は華やかで、この羽を含めると全長は1mにもなります。
また、目は黒くつぶらでとても可愛らしいです。
見たものは幸せになれるという幻の鳥ケツァールは、メキシコ南部からパナマにわたる山岳地帯の熱帯雲霧林に生息しています。

美しい鳥ケツァールの画像

出典: https://twitter.com

木の巣穴から飛び立つケツァール

出典: https://www.hbw.com

頭のてっぺんから尾まで綺麗なグラデーションになっています。

出典: https://4travel.jp

体長よりも飾羽の方が長いですね。

出典: http://animal-with.me

飛んでいるケツァールの姿は、長く美しい羽が流れるようでとても綺麗です。

美しい鳥ケツァールの動画

貴重なケツァールの鳴き声も収録されています。
その声は小犬が鳴いているようにも聞こえますね。

ケツァールの親が雛に餌を与える様子です。
子供はまだ全身が灰色の羽毛なんですね。
ケツァールは雄雌が共同で子育てをするそうで、この動画では雄が餌付けをしています。

美しい鳥ケツァールが棲むコスタリカは自然の動物園

ケツァールが生息する中米付近の地図

ケツァールを観察するのに適した地であるコスタリカは、地球上の全動植物の5%が存在するといわれるほど豊かな生態系を持つ国です。まさに自然の動物園と言えますね。
また、コスタリカは国土の1/4を保護区域に指定しており、自然保護活動の一つであるエコツアーの発祥地でもあります。
さらに国内電力の93%を水力発電や地熱発電などの再生可能エネルギーで賄うなど、環境先進国として有名です。
コスタリカは2015年に、今後10年以内に国内の動物園を全て閉鎖して動物たちを本来あるべき生息地へと戻すという計画を発表しました。
自然や生き物を大事にする素晴らしい試みだと思います。

ケツァールの名の由来とは

出典: http://travelholics.blog.jp

本物のケツァールの羽を使った王冠

ケツァールという名は、古代アステカのナワトル語で「大きく輝いた羽」や「ケツァールの尾の雨覆羽(あめおおいばね)」という言葉から由来しているそうです。
確かにケツァールの羽には金属光沢のような輝きがありますね。
また、ケツァールは古代マヤやアステカのインディオたちには「大気の神」として崇められていました。
さらにケツァールは農耕神ケツァルコアトルの使いでもあり、飾羽があしらわれた装飾品は最高位の聖職者や王だけが身に着けることが許されていました。

ケツァールが美しいのなぜ?

出典: https://www.zooportraits.com

ケツァールの羽毛は光沢をもっている

ケツァールの羽毛の色は、くちばしは黄色、全身は主にエメラルドグリーン、腹部は真っ赤なルビー色、風切羽は黒、尾羽は真っ白といったカラフルな姿をしており、世界一綺麗だといわれる所以です。
他にも、全身を覆うグリーンの毛羽はいわゆる玉虫色のように光沢があり、とても綺麗に見えます。
これは構造色といい、羽毛にある微細な構造によって光が乱反射して鮮やかな色彩となるためです。

雄と雌の違いは?

出典: http://digisco.com

ケツァールの雌

ケツァールのオスとメスの違いはどこにあるのでしょうか。
オスとメスの最大の違いは飾り羽で、オスは長くメスは短いのです。
上記で紹介してきた綺麗な長い羽をもつケツァールの画像は全てオスなのです。
他の違いとしては、メスは頭部や腹部の羽毛に灰色が多いことや、尾羽はオスは真っ白ですがメスは白と黒の縞模様があることなどです。
パッと見てオスかメスか判断するには、飾羽の長さを見るとよいでしょう。

コスタリカに棲む美しい鳥ケツァールの生態は?

出典: https://www.pinterest.jp

果実を丸呑みするケツァールの画像

ケツァールは標高1200mから3000mの雲霧林に生息しています。
3月から6月にかけてが繁殖期で活動的になり、クチバシで木を突いて穴を開けて巣を作ります。
そして1度に2,3個の卵を産みますが、時にはこの時期に2回雛を育てることもあるそうです。
卵は雄と雌が交代で温めます。
雛は孵化してから約3週間ほどで飛ぶことができるようになりますが、雄の特徴的な飾羽が生えてくるのは3年後からだそうです。
ケツァールの飾羽は、木の枝や植物の棘などにひっかかって抜けてしまうこともあるそうですが、しばらくするとまた生えてきます。

ケツァールの好物はアボカドだった

出典: https://4travel.jp

ケツァールの好物のリトルアボカドの画像

ケツァールは雑食で、果実だけでなく昆虫など小さな生物も食べます。なかでも好物なのが野生のアボカドであるリトルアボカドです。
食べ方としてはリトルアボカドの実を丸ごと呑み込み、数十分後に大きな種だけ吐き出すそうです。なかなか豪快な一面もあるようですね。

コスタリカでケツァールが将来見られなくなってしまう?

出典: https://www.iucn.org

国際自然保護連合(IUCN)は絶滅危惧種の状況を報告している

とても残念なことに、メソアメリカではケツァールの美しい羽や皮は交易品として珍重されたため、ケツァールは乱獲されて数を大きく減らしました。他にも、そのまま捕獲されてペットにされることもあったそうです。

乱獲以外にもケツァールの数を減らす要因がありました。
コスタリカは以前はコーヒーやバナナなど農業で発展してきた国ですが、近代では工業化や人口の増大が進み、森林を伐採して工業用地や住宅地を広げてきました。
そのためケツァールを含めた動植物たちの棲みかが脅かされ、その数を減らすことになったのです。

国際自然保護連合(IUCN)による種の保全状況の指標では、2017年現在ケツァールは「準絶滅危惧」となっています。これは、「すぐに絶滅する危険性は低いが将来的に絶滅する可能性がある」ということを示しています。
1988年の調査ではより絶滅の危険性が高い「絶滅危惧」にカテゴライズされていましたが、保護活動の努力の結果、危険性が少し弱まったようです。

ケツァールはコスタリカの隣国グアテマラでも重要な存在

出典: http://flagpedia.asia

グアテマラの国旗にはケツァールが描かれている

コスタリカから2つ隣の国グアテマラもまたケツァールは非常に重要な鳥です。
ケツァールは捕らえられて自由を奪われると死んでしまうため、グアテマラでは自由の象徴の鳥として考えられています。
動物園ではケツァールにとって狭すぎて生きていけないかもしれませんね。
また、グアテマラの国旗の中央にもケツァールが描かれています。

出典: http://www.lovelyplanet.jp

グアテマラの1ケツァル紙幣の画像

グアテマラの通貨単位もまた「ケツァール」です。
紙幣には「QUETZAL」とあり、綴りもケツァールと同じです。
グアテマラの人々がいかにケツァールを大事にしているか伺えますね。
なお、日本の表記では通貨単位は「ケツァル」となっていることが多いです。

コスタリカの鳥ケツァールがモデルとなった「火の鳥」とは?

出典: http://natalie.mu

ケツァールは漫画「火の鳥」のモデルとされている

漫画界の巨匠、手塚治虫の作品である「火の鳥」はこのケツァールをモデルにしたといわれています。
「火の鳥」に描かれる火の鳥は体こそ金色とケツァールとは異なりますが、長く伸びた尾羽を持ち、羽毛が輝いている様子はケツァールとの類似点も感じられます。
あるいはケツァールの胸の真っ赤な羽毛が火の鳥を連想させたのかもしれません。

ケツァールは鸞(らん)のモデルともいわれている

出典: http://blog.goo.ne.jp

鸞の想像図

他にも中国の想像上の霊鳥である鸞の外観の特徴がケツァールとよく似ており、モデルとされたという説もあります。
美しい鳥だからこそ様々な題材でモデルとされるのかもしれませんね。

コスタリカへ美しい鳥ケツァールを見に行くには

出典: https://sibatabi.com

コスタリカの山々の画像

ケツァールをぜひ見てみたいという人もいることと思いますが、現在のところケツァールを見るためには現地に行くしかありません。
中米の中でもケツァールの生息域や国の治安などを鑑みると、コスタリカが最適だと思われます。
中でも首都サンホセから約70km離れたサンヘラルド・デ・ドタが観察のしやすさナンバー1と評判です。
現地に行く方法としては、旅慣れた人であれば日本からサンホセへ行き、バスなどでサンヘラルド・デ・ドタまで行ってロッジでケツァールの観察ツアーに申し込む方法があります。2時間のツアーで3000円ほどで見れるロッジもあるようです。
ピンポイントで格安でケツァールが見たいという人はおすすめです。
海外旅行が不安な人は、日本のパッケージツアーを申し込むとよいでしょう。
コスタリカには国立保護公園が数多くあり、各所の見所を回り、珍しい植物や野生動物、バードウォッチングなどが楽しめるツアーが多くあります。
なお、コスタリカの乾季である12月から4月がケツァールを見つけやすいそうです。

日本ではケツァールを見ることはできないのか?

出典: https://kids.gakken.co.jp

ワシントン条約により日本では動物園でケツァールを見ることはできません。

この世界一美しい鳥ケツァールは日本でみることはできないのでしょうか。
1973年にアメリカ・ワシントンで採択された「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(通称ワシントン条約)において、ケツァールは「今すぐに絶滅する危険性がある生き物」に分類されています。
この分類にはジャイアントパンダやトラ、ゴリラも指定されていて商業のための輸出入は禁止されています。
この条約により日本の動物園ではケツァールを見ることはできません。
またワシントン条約では生きている状態だけでなく、肉や皮、骨などが使用された物も取引することはできません。
学術研究の目的のため輸出入国の政府が許可書があれば別ですが、一般には日本で見ることはできないのです。
現地でのびのびと暮らすケツァールを見るのが一番ということでしょうね。

まとめ:コスタリカの美しい鳥ケツァールは国の財産

出典: http://www.infomaya.jp

いかがでしたでしょうか。今回は「火の鳥」のモデルともなった世界一綺麗な鳥ケツァールをご紹介しました。
ケツァールは一時は絶滅寸前にまで追いやられてしまいましたが、コスタリカや他の国々の地道な保護活動の努力の結果、少しずつ回復してきています。
かつては首長や王など限られた人のみが装飾品を身に着けることが許されたケツァールですが、その鮮やかで綺麗な羽を見れば貴重であったことは頷けます。

残念ながら日本の動物園では見ることはできませんが、動物園ではなく大自然だからこそ自由な鳥ケツァールが生きられるのでしょう。
皆さんも幸せの青い鳥ケツァールを身にコスタリカを訪れてみてはいかがでしょうか。

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