ししゃもは偽物が多いって本当?本物のししゃもとは何が違うの?
ししゃもには本物と偽物がいます。しかも、本物だけではなくて偽物も多く出回っているようです。そこで本物や偽物のししゃもの生態や見た目の特徴などをご紹介します。本物や偽物のししゃもに関する知識を身に付けてししゃもを見分けられるようになりましょう。
目次
ししゃもには本物と偽物が存在する?
ししゃもには本物と偽物が存在します。見た目はほとんど違いが無いため、見分けられる人の数は少ないのではないでしょうか。まずは本物のししゃもについて見てみましょう。
ししゃもの生態を知ろう!
本物のししゃもは自然界においてどのように生息しているのでしょうか。ここでは本物のししゃもの生態についてご紹介します。
ししゃもの生態とは
成魚で体長が10~13cmほどで16cmを越えるのは本物のししゃもの生態です。生まれてから2年で成熟するところも生態の1つと言えますね。また、「キュウリウオ目キュウリウオ科シシャモ属」に分類される本物のししゃもは川を遡上する生態の回遊魚です。ちなみに、「キュウリウオ亜科」にはそれぞれ個別の生態を持つ11属31種の魚が属しています。
ゴカイ類やヨコエビ類などの底棲生物を捕食とするのも本物のししゃもの生態です。日本の北海道の道東地域を中心とする太平洋沿岸のほんの一部の地域にだけ棲息するのも本物のししゃもの生態と言えるでしょう。希少と言っても過言ではない本物のししゃもですが現段階では絶滅危惧に制定されておらず留意種(留意すべき種)と位置付けられています。
ししゃもの外見の特徴は?
本物のししゃもの見た目は、ひらたく細長いです。全体的な見た目には銀色がかっていて背の方は黄褐色で腹の方は白色に見えます。脂びれが小さいのも本物のししゃものの見た目の特徴です。尻びれは丸みを帯びた見た目で広がっています。また、オスの本物のししゃもの尻びれはメスの本物のししゃもの尻びれよりも大きいです。産卵期にはさらに巨大化し全長で18cmほどになります。繁殖期に出現する婚姻色の見た目はオスの本物のししゃもは全身真っ黒になりメスの本物のししゃもはそのままです。
ししゃもの偽物の正体は?
偽物のししゃもとはどのようなししゃもを言うのでしょう。ここでは偽物のししゃもについてご紹介します。
カラフトシシャモ(カペリン)の生態とは
本物のししゃもが属する「キュウリウオ亜科」には属の違う魚もいます。ししゃもの偽物と言われる魚は「キュウリウオ亜科」の「カラフトシシャモ属」の「カラフトシシャモ」という名を持つ呼つ魚です。偽物のししゃもと本物のししゃもは同じししゃもでも種属の違う魚なので生態ももちろん異なります。偽物のししゃもは川を遡上しません。カナダ・ノルウェー・アイスランド・ロシアと棲息地にもばらつきの見受けられる生態です。餌を浮遊性甲殻類・多毛類・小魚などを餌とする点も本物のししゃもとは違う生態と言えるでしょう。
カラフトシシャモ(カペリン)の外見の特徴は?
偽物のししゃもの見た目は体色が背側は濃い緑色で腹側は銀白色です。産卵期にはオスの見た目が尻びれの基部の方から盛り上がります。本物のししゃもは最大でも18cmまでしか成熟しませんが偽物のししゃもの全長は20cmにも及びます。生後1年ほどで全長10cmほどに成熟するのも偽物のししゃもの見た目の特徴と言えるでしょう。
本物のししゃもが偽物のししゃもに取って代わられた理由とは?
本物のししゃもが偽物のししゃもに取って代わられた理由は漁獲量の違いにあります。本物のししゃもの漁獲量は偽物のししゃもの漁獲量の僅か1割程度です。本物のししゃもの漁獲量が減少したために偽物のししゃもで代用がなされていると言っても過言ではないでしょう。
ししゃもとカラフトシシャモ(カペリン)の違いとは?
本物と偽物とではどのように異なるのでしょう。ここでは本物のししゃもと偽物のししゃもの違いについてご紹介します。
原産地の違い
本物のししゃもは北海道の限られた地域に棲息します。偽物のししゃもはカナダ産・ノルウェー産・アイスランド産・ロシア産などが有名です。
外見の違い
本物のししゃもと偽物のししゃもとでは見た目の特徴が全く違います。口・目・鱗が大きくて脂びれが小さいのは本物のししゃも、口・目・鱗が小さくて脂びれが大きいのは偽物のししゃもです。
値段の違い
本物のししゃもと偽物のししゃもとでは値段ももちろん違います。偽物のししゃもは比較的安価な値段で販売されていますが本物のししゃもの値段は1,000円程度です。値段が安ければ偽物で値段が高ければ本物のししゃもと見て取ることも出来るでしょう。ただし、偽物のししゃもが本物のししゃもとして相応の値段で売られていることもあるので注意は必要です。
味の違い
本物のししゃもと偽物のししゃもとでは味に違いがあります。一般に味が美味しいのは本物のししゃもです。偽物のししゃもも味が美味しくない訳ではないのですが味の美味しさの面において本物のししゃもに敵うことはありません。そして、より美味なのは本物のししゃもの腹に卵を持つ産卵期のメスや身の引き締まったオスです。
焼いた香りの違い
本物のししゃもと偽物のししゃもの違いは焼いて食べる際の香りにもあるようですね。魚を焼くときの美味しそうな匂いが本物と偽物とで異なるというのは頷ける話です。
ししゃもの偽物をししゃもとして売るのは問題ないの?
「農林物資の規格化等に関する法律」により偽物のししゃもの原材料名は「ししゃも」ではなくて「カラフトシシャモ」と記載することが義務付けられました。ただ、商品名は「ししゃも」でも「カラフトシシャモ」でも構わないので「ししゃも」という商品名で偽物のししゃもが問題なく市販されています。
本物のししゃもはいつ・どこで食べられる?
本物のししゃもはいつどこで食べることが出来るのでしょう。ここでは本物のししゃもの漁獲時期などをご紹介します。
本物のししゃもの漁獲時期は?
本物のししゃもは夏の終わりから冬の始めにかけて漁獲が可能です。ただし、漁獲量が減少しているので本物のししゃもを町の魚として定めている北海道の勇払郡むかわ町などのように漁獲時期を10月上旬~11月上旬の1か月に限定するなどし資源保護に努める町も存在します。
本物のししゃもは北海道で食べられるの?
本物のししゃもは北海道で食べることが出来ます。刺し身や天ぷらなど食べ方にもいろいろありますがおすすめは「ししゃも寿司」です。「ししゃも寿司」は提供時期が限られていたりするので現地を訪れる際は注意しましょう。
スーパーで売っているししゃもは本物なの?
商品名に「本ししゃも」の記載があれば、偽装でない限り本物のししゃもと言えるでしょう。もっとも、市販のししゃもの多くが偽物のししゃもであるためスーパーで本物のししゃもと出会えたらラッキーです。
居酒屋で食べるししゃもは本物なの?
居酒屋のししゃももスーパーのししゃもの場合と同じです。メニューに「本ししゃも」と記載されてあれば本物のししゃもです。
日本人は魚卵好き!カラフトシシャモ(カペリン)のオスはどうなる?
オスよりもメスの方が大きいのが偽物のししゃもの需要です。偽物のオスのししゃもは食料廃棄されてしまったりコスパ良好なししゃもとして販売されています。
【番外編①】ししゃもの名前の由来とは?
さて、本物や偽物のししゃもが属する「キュウリウオ亜科」に属する魚は本物のししゃもや偽物のししゃもだけではありません。他にも「アユ属」や「ワカサギ属」などが「キュウリウオ亜科」に属します。ここで言う「キュウリウオ」は漢字で書くと「胡瓜魚」です。「アユ属」の「アユ」は漢字で「鮎」と書き「ワカサギ属」の「ワカサギ」は漢字で「公魚」と書きます。それでは、ししゃもの名前の由来はご存知ですか。ここではししゃもの漢字表記と語源をご紹介します。
ししゃもの漢字表記は『柳葉魚』
飢えに苦しんでいたアイヌの娘が「病身の父の病気が良くなりますように」と川で祈ったところ柳の葉っぱが川へと落ち泳ぎ回ってししゃもになったというアイヌの伝説に由来し、ししゃもは漢字で「柳葉魚」と表記します。ちなみにこちらの伝説には諸説あります。
ししゃもの語源はアイヌ語
アイヌ語だと柳は「スス」で葉は「ハム」です。柳の葉をアイヌ語で表現すると「ススハム」なのでししゃもは漢字で「柳葉魚」と書くとする説があります。語源も「柳葉魚」の漢字表記の由来と同様に複数の説が存在するのでどの説が真実と断言することは難しいと言えるでしょう。
【番外編②】ししゃもの美味しい焼き方3パターン!
ししゃもの美味しい焼き方3パターンのご紹介です。美味しい焼き方を習得し本物のししゃもや偽物のししゃもを美味しくいただきましょう。なお、ご紹介しているししゃもの焼き方においてはいずれも冷凍の状態のししゃもを使用します。
グリルで焼く方法
グリルを使った焼き方ではししゃもを並べる前にグリルを予熱で温めます。その後、ししゃもを端から順に並べます。ししゃもの皮の色みが香ばしく変化し皮と身の間から魚脂がじわっと出てきたら焼き上がりです。グリルを使った焼き方のときに注意しておきたい点はグリルの中心部には並べないことです。
フライパンで焼く方法
焼き方としてはまず始めにフライパンの上にホイルシートを敷きます。このとき、出来るだけ魚焼き用のホイルシートを使うようにしましょう。その方が焦げ付きません。魚焼き用のホイルシートを敷き終わったらししゃもを並べて中弱火の火にかけます。しばらくするとししゃもから水分がふつふつしてくるのでひっくり返しましょう。数分加熱すれば完成です。
トースターで焼く方法
トースターを使った焼き方はししゃもの最もおすすめな焼き方です。始めにトースター内部に魚焼き用のホイルシートを敷き予熱でしっかりと温めます。次に220℃前後で約10~15分加熱します。ポイントはひっくり返すタイミングです。途中で頃合いを見計らって忘れずひっくり返しましょう。
ししゃもの本物と偽物を見分けよう!
特徴を知らなければ本物や偽物のししゃもは見分けられません。特徴を踏まえて本物のししゃもと偽物のししゃもをしっかりと見分けましょう。