「変わり千代結び」の折り方!箸置きがない時に便利!意味や由来も!
食事の際の作法やマナー、気にしていますか?「変わり千代結び」は箸置きがない時に役立つ正しい作法です。「変わり千代結び」を知っておけば、簡単ににスマートな食事を実践できるのです。この記事では、「変わり千代結び」の折り方から、意味や由来もご紹介していきます。
目次
箸置きのマナーに自信がありますか?
食事の際のマナーは、意外と見られているものです。箸置きの使い方もその一つです。お箸を休めるたびにきちんとお箸を箸置きに戻していますか?普段自宅では箸置きを使わないという人も、デートや会食などで箸置きが用意されているお店に行くこともあるでしょう。そんな時に相手に好印象を残せるように、箸置きをしっかり使えるようにしておきたいものです。
箸置きがないときはどうする?箸置きのマナーを解説!
では、箸置きが用意されていないお店ではどうすればよいのでしょうか?多くの人がやりがちなのは茶碗やお皿の上に橋を渡らせて置くことです。しかし、これは「渡し箸」といって実はマナー違反になります。
箸置きがなければ、箸袋で代用しましょう。日本の正しい作法を守りつつ、食事を楽しく演出できる「変わり千代結び」をご紹介します。
変わり千代結びの折り方!
箸袋を変わり千代結びにすることで、箸置きとして使うことができます。一般的な変わり千代結びの折り方は以下になります。コツは、箸袋を折り目をつけながら結ぶように折ることです。結び目から箸袋の口が3cmくらい出ていればOKです。変わり千代結びは簡単ですぐに作れるので、便利な作法の一つとしてぜひ覚えてみてください。
①箸袋の口を右にして置きます。
②左側2/3くらいを右斜め上に裏側から折り込みます。
③②を手前に向かって表側から斜めに折り返します。
④③を結び目をつくるように裏側に折り返し、紙の端を折り目に差し込みましょう。
⑤表に返して、完成です。
変わり千代結びの使い方のコツ!
せっかくきれいに変わり千代結びが折れたら、きれいで正しい使い方をしたいですよね。変わり千代結びの簡単な使い方のコツをご紹介します。
食事中の変わり千代結びの使い方のコツ
食事中、変わり千代結びの箸置きに箸を置く際には、箸先を箸置きから少しはみ出させ、机から少し浮かせて置くようにします。箸先を箸置きに接触させてしまうと、汚れが箸置きに移ってしまい、見た目にも衛生的にも良くありません。
食後の変わり千代結びの使い方のコツ
食後は、箸先を隠すのがマナーです。変わり千代結びの箸置きでは、1/3くらい残った箸袋の口に箸先を入れるか、結び目部分に差し込むと良いでしょう。こうすることで、食事が終わったことを知らせることができますし、片付ける人の手が汚れないよう気遣いにもなります。和食の作法にある「箸先五分(約1.5㎝)、長くて一寸(約3㎝)」という言葉のように、箸先を3cmくらいまでにとどめるように使えば、汚れた部分をはみ出すことなく変わり千代結びの箸置きの中に収められます。
変わり千代結びの意味や由来とは?
変わり千代結びの意味や由来を知れば、話のネタにもなりますし、食事の席がもっと楽しくなることでしょう。変わり千代結びは「千代結び」という折り方の変化形になります。千代結びは、おみくじの結び方のように箸袋の真ん中で結び、両端を結び目にさし込む結び方です。
変わり千代結びの意味は、「千代に八千代に契りを結ぶ」となります。これは、「これからもずっと仲むつまじくいられますように」という意味になります。人と人の縁を結ぶ、とても縁起のいい折り方ですね。
変わり千代結びを使いこなす人の印象は?
箸置きがなくてもきちんと変わり千代結びを折り、スマートな食事ができれば、「きちんとした」「品のよい」人という印象を持ってもらえることでしょう。特に、変わり千代結びは箸置きの基本的な作法なので、年配の方や作法に詳しい方との食事で変わり千代結びが使えると、「日本人として基本をきちんと身に着けている」という信頼感や好印象につながるのではないでしょうか。
お箸を持つとき・置くときの正しい作法を知ろう!
お箸を持つときや置くときにも正しい作法があります。変わり千代結びと一緒に実践を心がけましょう。
箸の持ち方の正しい作法
箸置きから箸をとる場合の正しい作法は以下の手順です。
①お箸の右1/3あたりを右手で上から持ちます。
②右手で箸を持ち上げたら、左手を下から添えます。
③左手で箸を持ち、右手を滑らせるように箸の下に持っていきましょう。
箸の置き方の正しい作法
箸を置く場合の正しい作法は以下の手順になります。
①右手で箸を持った状態のまま、左手を下から添えます。
②右手を滑らせるように上に持っていき、右手で上から箸を持ちます。
③左手を外して、箸置きの上に箸を置きましょう。
箸の持ち方の逆の手順ですので、持ち方を覚えてしまえばあとは簡単です。また、手順はどちらも右利き向けになっていますので、左利きの方は左右を逆にして読んでください。
変わり千代結び以外の箸袋の折り方7選!
箸袋でつくる箸置きの主流は、変わり千代結び以外にも、変わり千代結びの元となる「千代結び」や「山折り」があります。また、最近ではこれらの主流以外にも、可愛い形の様々な箸袋の折り方が注目されています。食事のシーン別にいろいろな箸置きがつくれると楽しいですよね。では折り方をいくつか見てみましょう。
【簡単】千代結び
千代結びは変わり千代結と異なり、両端を結び目にさし込みます。ちょうちょ結びに似た可愛らしい折り方です。下の動画も参考にしてみてください。
①箸袋を半分または三つ折りにし、細長くします。
②左右の長さが同じになるように、真ん中で一回結びます。
③両端を結び目に入れ込み完成です。
【簡単】シンプルな山折り箸置き
変わり千代結びと並んで基本となる、シンプルな山折り箸置きです。
①箸袋を半分~1/3くらいの長さに折ります。
②横に半分に折ります。
③両角を三角に折り、折り目をつけます。
④折り目を広げて、中に折り込み完成です。
箸袋が富士山の箸置きになるなんて可愛いすぎるよ!!!
— めぐ子 (@takiko0531) November 10, 2018
まだ沼津にいるよ!!! pic.twitter.com/LAh1p3F3Hv
【簡単】蛇腹箸置き
箸袋を蛇腹に折って千代結びをする結び方です。扇子のような華やかな形になり、祝いの席などにもピッタリです。
①箸袋を縦に蛇腹に折っていき、細長くします。
②千代結びのやり方同様、左右の長さが同じになるように中心を結びます。あまりきつく締めずに、緩く結ぶのがポイントです。
③蛇腹の折り目を広げて完成です。
船の箸置き
船のような曲線で橋が転がりにくい、安定感のある箸置きです。千代結びの折り方でご紹介した動画にも折り方が載っているので、参考にしてみてください。
ますが、下の動画にも折り方が載っていますので参考にしてみてください。この後にに紹介するリボン型箸置きとハート型箸置きも載っています。
①箸袋を半分もしくは三つ折りにし、細長くします。
②三等分に折ります。
③開いてから一方の端をもう一方の端に差し込みます。
④爪でカーブの部分に折り目を付けておくと折りやすいです。
⑤袋になっている部分を開き、折り目に沿って上をへこませたら完成です。
星の箸置き
少しコツがいりますが、星を型抜きしたような見た目に美しい箸置きです。下の動画も参考にしてみてください。
①箸袋を三つ折りにし、細長くします。
②すべて同じ幅になるよう、山折り谷折りを繰り返し10回折ります。同じ幅でないと、きれいな星になりません。
③一方の端をもう一方の端に差し込みます。
④形を整えて完成です。
リボン型箸置き
少し難しいですが、とても可愛らしい見た目で話題に上がること間違いなしの箸置きです。下の動画も参考にしてみてください。
①表にしたい面を裏にして、箸袋を半分に折ります。
②折った側を横に半分に折って折り目をつけ、その中心線に向かって角を折り、三角の折り目をつけます。
③三角の折り目を広げて、中に折り込みましょう。
④三角の部分を中心に、両端をめくって折り返します。
⑤先ほどの中心線に向かって角を三角に折ります。裏面も同じようにします。
⑥ゆっくり開くとリボンの中心部分ができています。
⑦裏返して両端を内側に折ります。
⑧角を少し折って丸みをつけたら完成です。
ハート型箸置き
こちらも可愛らしい見た目の箸置きです。リボン型箸置きよりは初心者向けです。下の動画も参考にしてみてください。
①箸袋を縦に半分に折り、折り目をつけます。
②下半分をを①の線に合わせて折って裏返します。
③半分の長さに折って折り目をつけ、この線に合わせて両端を斜めに折り上げます。ハート下の角部分の出来上がりです。
④上部を外側に折り、さらに内側に折ることでハートの形に整えていきます。
⑤下にはみ出た部分を中に折り込めば完成です。使い方は、ハートの真ん中の線の部分に箸先を差し込むようにしましょう。
【番外編】お箸の歴史を知ろう!
変わり千代結びを中心にマナーや箸置きの折り方についてご紹介してきました。ここでは番外編にはなりますが、日本人として知っておいて損はないお箸にまつわる歴史について、簡単にご紹介します。
お箸の歴史
もともとは、日本人は箸などの道具は使わず、手掴みで食事をしていました。箸が使われだしたのは、7世紀ごろ、遣隋使たちが中国から持ち帰ったのがきっかけです。箸というものを知った聖徳太子が、このままでは手食をする日本は野蛮な国だと見下されてしまうと考えたとか、中国からの使節団との食事の際に箸食にあわせたほうがいいと思ったからなど諸説ありますが、こうして朝廷の食事に取り入れたのが、日本での箸文化の始まりだと言われています。
箸置きの歴史
箸文化が広まった後、神に捧げる食物をとる箸が汚れないように、「箸の台」が使われるようになり、そこから箸置きが広まっていったといわれています。
庶民に箸置きが普及したのは、明治時代になってからです。それまでは一人一人にお膳がありましたが、明治時代からは一つの食卓を何人かで囲むようになりました。その際、特にお客に対して、箸と机を清潔に保てるようにと衛生面の意味で箸置きが使われるようになりました。これが発達していったのが、今の私たちの知る箸置きです。
箸袋の役割と歴史
一説によると、平安時代に宮中の女官が、自分の箸をしまうときに着物の切れ端で箸を包んだのが、箸袋の始まりとされています。その後、室町時代から紙製の箸袋が使われ始めました。今現在私たちが知る箸袋の形になったのは、明治時代に山陽新幹線開通に駅弁に紙で包まれた箸が添えられてから、と言われています。変わり千代結びなどの箸袋のマナーは、それ以降に広まったものになりますね。
箸袋のもともとの使い方は、お祝いの席で清潔感や高級感を意味するためのものです。現在でも高級料理店などで華やかな箸袋が使われるのを目にします。現代では、「この箸は新品です」という意味もあります。
美しく正しい作法で食事を楽しもう!
いかがでしたか。変わり千代結びは食事の基本的な作法の一つです。変わり千代結びの折り方、使い方をマスターすれば、自分も相手も気持ちよく食事ができ、印象アップにつながります。みなさんも、変わり千代結びを始めとする箸置きのマナーを実践し、食事の席で素敵な時間を過ごしてください。