キツネをペットとして飼う方法!寿命・値段・おすすめの種類も解説!
近年では、家庭で飼うペットの選択肢としてキツネを候補に挙げる人が増えています。キツネをペットとして飼うには、どんな方法があるのでしょうか。今回は、寿命・値段・種類などキツネを飼う際の疑問や注意点なども併せて詳しく解説していきます。
目次
かわいいキツネをペットにしたい!
キツネは、ディスニー映画のキャラクターとして登場するなど、様々なモチーフに採用される人気の動物です。特にフェネックなどのかわいいキツネは人気が高く、ペットとして飼うことを検討している人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、キツネはペットとして飼うことができるのかどうか、ペットとしてなつくのか、どんな種類のキツネがいるのか、値段はいくらなのかなど、キツネに関しての様々な疑問に答え、注意点などをご紹介していきます。
キツネはペットにできるの?寿命は?
まずほとんどの人が疑問に思われているであろう「キツネは一般家庭のペットにできるの?」ということですが、実はキツネを飼うことには特別な資格は何も必要ありません。
キツネをペットにするのはまだあまり一般的ではないだけに、これは少し意外ですね。必要な準備をして、飼うための注意点に気をつければ、キツネを飼うのは誰にでもできます。
キツネの生態
キツネはイヌ科の哺乳類で、日本国内では北海道の「キタキツネ」、本州・四国・九州の「ホンドギツネ」が野生のキツネとして生息しています。群れをなさない肉食動物で、狩りをして小型の哺乳類や昆虫などを食べています。
映画や童話などに登場するキツネはずる賢いイメージがありますが、それはキツネが獲物の種類で狩りの方法を変えるなど高い知能をもっているからです。
キツネの性格
キツネの中には穏やかで従順な性格をしている個体もいますが、大抵のキツネは獰猛(どうもう)であったり、用心深く臆病な性格をしています。
キツネの平均寿命
野生のキツネは、狩られてしまったり事故にあってしまったりで死亡することが多く、3~5年程が平均的な寿命と言われています。キタキツネであれば6~7年、アカキツネであれば3~4年の寿命です。
ペットとして適切に健康管理していれば、キツネも10年以上生きることができます。キツネの中には、最長で15年生きた個体がいたという記録もあります。
キツネをペットにするのに許可は必要?
野生の動物が怪我をしているなどの理由で、一時的にでも保護をする場合には行政の許可が必要なことがあります。
しかしキツネの場合は、現時点ではどの種類のキツネであっても申請や許可は不要です。
キツネはペットショップで買えるの?値段は?
キツネは日本ではまだペットとして一般的でないので、ペット用キツネのブリーダーもあまりいません。そのため一般的なペットショップにも流通しておらず値段も高く、海外からの輸入に頼らざるを得ません。
しかし、伝染病を媒介しやすいキツネは検疫を通過しづらく、キツネのペットショップを経由しない個人輸入はほぼ不可能である点に注意が必要です。かといって、野生のキツネを捕まえてきてペットにするというのは、衛生上問題があるのでおすすめできません。
キツネをペットに迎えるためには、ペット向けに飼育されたキツネの輸入を仲介してくれるペットショップを探して依頼する必要があります。
そして気になるキツネの値段ですが、キツネの中でも比較的手に入れやすいフェネックという種類の場合、ペットショップで90~100万円、ブリーダーからの購入で60~90万円かかります。決して安いお値段ではありません。
キツネをペットとして飼う時に必要なもの6選!
他のペット同様に、キツネをペットとして飼うためには必要な設備があります。設備といっても、ペットショップやホームセンターなどで購入可能なものばかりですので、キツネを迎える準備の参考にしてみてください。
キツネそのものの値段以外にも、キツネを飼うのに必要なものの値段も費用として考慮しておくのを忘れないようにしましょう。
ケージ
まずどの種類のキツネであっても必ず用意しておかねばならないのが、飼育用のケージです。キツネと言われて一般的にまず想像するアカギツネは、体長が45~90cm程です。また、ペットとして人気の高いキツネのフェネックは、体長が24~40cm程になります。
ペットとして迎えるキツネがどの種類かにもよりますが、中型犬~大型犬用の飼育ケージを用意しておくと良いでしょう。
上記のような引き出し式トレイが付属したケージであれば、キツネのトイレの処理もよりやりやすくなります。
ハンモック
キツネの隠れ家兼ベッドとして、ケージの中に吊るして設置できるハンモックがあると便利です。
汚れてしまっても外して洗える、洗いやすい素材のものが良いでしょう。また、特にフェネックは寒さに弱いため、寒い冬には暖かく過ごせるような素材のものを選ぶのをおすすめします。
散歩のためのリード
キツネも、犬同様かそれ以上に運動不足になってしまわない程度の運動が必要です。室内では必要な運動量に満たなかったり、騒音やトイレなどの理由で運動させられなかったりするので、リードをつけて散歩に連れて行ってあげる必要があります。
ペットに迎えるキツネのサイズに合わせて、中型犬~大型犬用のものを選ぶのがおすすめです。
トイレ
キツネは、猫や犬のように定位置にあるトイレを覚えて排泄するようしつけをすることが困難な動物です。ケージから出してしまえば、所構わず排泄してしまう危険が伴うので要注意です。
また、獣臭と表現されるように排泄物の臭いが大変きつく、こまめに処理する必要があるため、ペットシーツの使用がおすすめです。
キツネの足元に直接敷いて使うと、穴を掘る性質のためビリビリ破いてしまいます。上記でご紹介したようなトレイのあるケージにペットシーツを敷いてトイレにするのが良いでしょう。
餌
ご紹介したとおりキツネはイヌ科ですので、なんとなく餌はドッグフードが良いのかなという気がしますね。しかし、キツネに必要な栄養で考えると、タウリンを含んでいるキャットフードを餌として与えるのがおすすめです。
もしキツネにタウリンが不足してしまうと、拡張型心筋症を患ってしまうことがあります。キツネが死亡してしまうリスクがぐんと上がってしまうので、餌を選ぶときには注意しましょう。
餌の与え方も、少量ずつ複数回に分けて食べさせるのが良いとされています。キャットフードのみを餌として与えるのではなく、野菜や果物類も併せて食べさせましょう。
飲み水
他のペット同様に、キツネにも飲み水が必要です。ボトルを逆さにしたような形のケージに設置するタイプが一般的ですが、キツネの場合はペット用の皿などに飲み水を入れて、ケージの床に置いておく方がおすすめです。いつでも衛生的な水が飲めるよう、一日に数回交換する必要があります。
水道水を与えるので問題はありませんが、もしも水道水以外を与えるのであれば、軟水を与えると良いでしょう。もともと野生動物だからといって、川の水や海の水を与えるのは、衛生面や健康面の理由からおすすめできません。
キツネをペットにする時の注意点7選!
どんなにかわいい・かっこいい動物であっても、それだけの理由で長く飼い続けることは困難です。10年以上の寿命を持つキツネを、最後まで家族として責任を持って面倒を見続けるためには、キツネをペットとして飼う時の注意点を知っておくことが大切です。
与えてはいけない食べ物は?
最初の注意点は、与えてはいけない食べ物です。
主にネギ類やアボカドなどは中毒を起こす危険性があるため、餌として与えてはいけません。基本的には犬に与えてはいけない食べ物と同じと考えると良いでしょう。
野菜や果物も過度にならなければ餌として与えられますが、カボチャや人参、イモ類などの野菜類やりんご・イチゴなどは糖質が多く含まれるため、あまりたくさん与えすぎないよう注意が必要です。
キツネに人間用の食べ物を餌として与えるのは、塩分や糖類などがキツネにとって過度に含まれているなどして健康に悪影響があります。うっかり与えてしまわないよう、注意して避けましょう。
鳴き声がうるさい
次の注意点は、「キツネの鳴き声はうるさい」ということです。まずはキツネの鳴き声がどのようなものなのか、蔵王キツネ村のキツネの動画でご紹介しましょう。
「このくらいならうるさくないのでは?」と思われるかもしれませんが、これは鳴き声の一例です。また、キツネは夜行性であるため、真夜中であろうとお構いなしに甲高い声で鳴きます。加えて、キツネは大変しつけが難しい動物です。犬の無駄吠えのように、しつけで抑えることは不可能と考えて良いでしょう。
集合住宅ではもちろんのこと、戸建てであっても周囲の住宅との距離が近くて迷惑になる可能性がある場合は、キツネをペットとして飼う環境に向きません。
小動物と共飼いしない
ご紹介したとおりキツネは肉食動物で、小型哺乳類などを狩り捕食している動物です。そのため、他の小動物をキツネと一緒に共飼いすると、キツネに獲物として狩られ、食べられてしまう可能性があります。これは犬や猫も例外ではありません。
もしあなたが既に何らかの小動物を飼っているのであれば、新たにキツネをペットとして飼うのはやめておいた方が良いでしょう。これが3つ目の注意点です。
エキノコックス・ズーノーシス
4つ目の注意点は、エキノコックス・ズーノーシスについてです。
エキノコックスは、日本語では多包条虫と呼ばれるイヌ科の動物に感染する寄生虫です。キツネなどイヌ科の動物がエキノコックスに感染していても、発症することがないため、見ただけでは感染しているかわかりません。
エキノコックスに感染した動物の排泄物を介して人間にも感染し、あらゆる臓器に転移したのち重度の肝機能障害を引き起こす原因になります。人間に感染しても潜伏期間が5~15年あり、発症して初めて感染に気付くケースがほとんどです。
ズーノーシスとは、日本語では人獣共通感染症と言います。人間とその他の脊椎動物の両方が感染する病気のことを指します。エキノコックスもこれに該当し、それ以外には狂犬病やサルモネラなども有名です。
人間がエキノコックス・ズーノーシスを発症すると、治療のためには全臓器に転移した病巣の切除や摘出が必要になります。切除・摘出することで生命維持や健康に影響がある場合は完治が難しい恐ろしい病気です。発症してからも気付かなかったり完治させられないままでいると、90%という高確率で死に至ります。
キツネをペットとして飼うのであれば、エキノコックス・ズーノーシスの感染防止に細心の注意を払う必要があります。
排泄物の臭い
5つ目の注意点は、キツネの排泄物の臭いについてです。
獣臭と言われるように、キツネの排泄物は大変強い臭いを発します。もちろん人間にとって良い匂いとは言い難く、もしあなたがそういった臭いが苦手であれば、キツネをペットとして飼うのはやめておいた方が無難です。
近年ではペットのトイレの臭い対策に特化した商品が多く発売されていますが、それではとてもカバーしきれないと考えておきましょう。
なつくかなつかないかは個体差が大きい
キツネがペットとしてなつくかどうかは、個体差が大きいと認識しておきましょう。ギンギツネやナレギツネは比較的なつく種類のキツネと言われますが、それでも必ずなつくとは言いきれません。
キツネの飼い主としてお世話をしっかりし、愛情を持って接することで、キツネが仲間として認識してくれる可能性もあります。キツネを飼うのであれば、キツネが快適に過ごせるよう根気よく面倒を見て信頼関係を築くことが大切です。
これが6つ目の注意点です。
動物病院
最後の7つ目は、キツネの健康管理として、フィラリア・犬ジステンバー・狂犬病などのワクチンを毎年接種する必要があることに注意する点です。
また、キツネがまだ一般的なペットではない点を踏まえて、動物病院ならどこでも診察してもらえると思わない方が無難です。キツネを飼う前に、まずキツネの診察ができる動物病院があるか確認しておきましょう。
キツネはペットとしてなつく?なつかない?
キツネはイヌ科の動物ではありますが、犬と違って縦社会での生活はしていません。警戒心が強い動物でもあるので、キツネがペットとしてなつくかなつかないかで言えば、キツネはなつきにくい動物です。
キツネをペットとして飼いやすいおすすめの種類3選!
数あるキツネの種類の中で、ペットとして飼いやすいキツネの種類を3種類ご紹介します。迎えるキツネの参考にしてみてください。
フェネック
まず一種類目はフェネックです。ペットとしてのキツネとして知られている、大きな耳が特徴のキツネです。
平均寿命は10年ほどで、大人のフェネックは30~40cmほどの大きさです。基本的に臆病で強い警戒心をもつキツネなので、フェネックが飼い主になつくのは時間がかかると考えておきましょう。
アカギツネ
二種類目はアカギツネです。キツネのイメージとして最も浸透している種類のキツネで、犬と猫の特徴を併せ持つキツネです。
45~90cmほどの大きさまで成長し、飼育下での平均寿命は12年ほどです。臆病な性格でストレスに弱いのですが、強い好奇心ももっているキツネです。
ナレギツネ
三種類目は、ナレギツネです。比較的人になつく種類と言われるギンギツネを、ペットとして飼うことができるよう交配を重ねた結果生み出されたのがナレギツネです。
犬に近い顔立ちをしており、ロシアで犬のように飼われていることもあるキツネです。日本でも飼うことができるキツネですが、普通のペットショップでは見つからないので、エキゾチックペットを扱っているペットショップを探して相談すると良いでしょう。
キツネをペットにする時は念入りな準備と覚悟をしよう!
キツネは、ペットとして適切に健康管理をしてあげると10年以上生きることができます。ペットにすると長い付き合いになるため、キツネが快適に過ごせるよう環境の準備と、キツネをペットにするリスクや注意点に対する覚悟が必要です。
飼い主としてペットのキツネが寿命を全うするまで責任を持ってお世話するために、ぜひ本記事を参考にしてください。