『ブルジョワ』の意味や使い方を分かりやすく解説!皮肉がこもってる?
カタカナ語の「ブルジョワ」という言葉を聞いたり使ったりしたことがある方は多いかと思いますが、正しい意味をご存知でしょうか。意外と知らないブルジョワの意味や語源、対義語と、どんな場面で使ったら良いのか、使い方についてわかりやすく解説していきます。
目次
『ブルジョワ』の意味とは?語源はなに?
「ブルジョワ」もしくは「ブルジョワジー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
色んな場面でブルジョワという言葉を聞く機会があるのではないかと思います。ですが、ブルジョワの正しい意味や使い方を理解せずに使っているという方も、実は多いのではないでしょうか。
また、ブルジョワと似たような言葉である「セレブ」や「リッチ」との意味の違いは何なのでしょうか。
ブルジョワとは何を意味しているのか、ブルジョワの語源から対義語、どのように使うのかを例文を挙げた使い方説明まで、詳しく解説していくことにしましょう。
意味①ブルジョワのお金持ちの人
ブルジョワの意味のひとつめは、お金持ちの人や資本家ということです。
資本家とは、お金を持っている経営者のことを指します。
また、場合によっては有産階級と訳されることもあります。有産階級とは、資本家や地主といった、財産を持つ階級のことです。
意味②貴族と農民の中間階級の人
ブルジョワの意味のふたつめは、中産階級にあたる人です。
中産階級とは、貴族や資本家と、労働者や農民のとの中間に位置する階級のことを指します。
現在で言うと、自営業者といったところでしょう。
『ブルジョワ』と『セレブ』『リッチ』との違いは?
ブルジョワと同じようなことを指す言葉として、「セレブ」や「リッチ」という言葉もあります。ブルジョワもセレブもリッチも似たような言葉なので、違いが良く分からないかと思います。
では、ブルジョワとセレブ、リッチの意味や使い方の違いとは一体なんなのでしょうか。
セレブとの違い
「セレブ」とは、「セレブリティー(celebrity)」を略した言葉です。
このセレブリティーという言葉とは、有名人や著名人といった人を意味しています。つまり、名前が世間に知れた人を指す言葉であって、お金持ちを語源とする言葉ではないのです。
有名人は名声があったり評価されたりしていることから、自然とお金持ちの人が多いために、セレブという言葉にだんだんとお金持ちのイメージがついたのでしょう。
近頃では、海外で活躍するモデルや俳優などを「海外セレブ」と呼び、流行の発信者となっています。
リッチとの違い
「リッチ(rich)」とは、裕福で贅沢な様子を表す言葉です。
「セレブ」という言葉が日本に入ってくる前は、お金持ちを表現する時に「リッチ」という言葉を使っていました。
リッチは、お金持ちの意味以外にも、物質的に恵まれていることも表します。濃厚な味を表現する時にも”リッチな味”と表現されるように、ブルジョワと違ってリッチは、お金以外にも恵まれた状態であることを意味する言葉であることが分かります。
『ブルジョワ』の使い方を2つ紹介!
ブルジョワはどのような場面でどのような使い方をすれば良いのでしょうか。ブルジョワの使い方の例を見ていきましょう。
ブルジョワの使い方①親しい間柄での冗談やツッコミとして
親しい間柄である友達との会話で、ブルジョワを使ってみましょう。
たとえば友達が高価な買い物をした時や、奮発して美味しい料理を食べた時などに、冗談やツッコミとしてブルジョアを使ってみると良いです。
ブルジョワはネガティブな意味で使われることが多い言葉であるので、冗談が通じる親しい仲で使うことにとどめておきましょう。
逆に、お金持ちだけど大好きで大切にしたい関係の人や、尊敬している人に対してブルジョワという言葉を使わない方が良いと思われます。
ブルジョワの使い方②裕福ぶる人への皮肉として
お金を持っていて裕福であることを鼻にかける人に、皮肉の意味でブルジョアを使う方法があります。
そもそもブルジョワという言葉が流行った時代背景には共産主義があります。
共産主義の人たちは、お金持ちに対して良いイメージを持たず、やることなすこと全てに反感を持っていました。ですので、裕福なことに対する皮肉がブルジョワという言葉に込められたのです。
そのため、現在でもブルジョワという言葉を使う時には裕福ぶる人に対しての皮肉が少なからず込められているのです。
『ブルジョワ』の使い方!例文を3つ紹介!
どのように「ブルジョワ」を使ったら良いのか、上手い言い回しや適切な場面がよく分からないという方のために、実際に使えそうなシチュエーションと言い回しを例文にしてご紹介しましょう。
例文①
「50万円もするバッグを買ったなんて、ブルジョワかよ!」
友人など親しい人物が、通常考えられる値段よりもはるかに高いものを購入した時に、そんなに高いものを買ったのかよとツッコむのに使える例文です。
例文②
「同窓会に行ったら、すっかりブルジョワ気取りな奴がいたよ」
同窓会などで久しぶりに会った友人が、以前とは比べ物にならないくらい高価なものを身に付けていたり、お金持ちをひけらかす発言をしていたりした場合に使える例文です。
昔と比べて変わってしまったな、という皮肉の意味で使いましょう。
例文③
「日本のウイスキーは今や、ブルジョワな酒になっちまったな……」
ブルジョワは人物だけでなく、高価な物に対しても使うことができます。
この例文では、日本のウイスキーが高級品になってしまって、自分には気軽に手が届きにくくなったなという嘆きがブルジョワに込められています。
ブルジョワの語源や由来とは?
ブルジョワの語源や由来、対義語について詳しく掘り下げて見ていきましょう。
ブルジョワの語源はブルジョワジー
「ブルジョワ」、「ブルジョワジー」はフランス語です。
ブルジョワの語源は中世のラテン語の「burgus(城砦)」であり、それが派生してフランス語の「bourg」になりました。
「bourg」は、本来は「城」や「市場が開かれる村」という意味がありましたが、そこから転じて「町」や「都市」を指すようになりました。
そしてその町に住む人々を指す言葉として、「bourg」を語源とした「ブルジョワジー(bourgeoisie)」という言葉が生まれたのです。このブルジョワジーとは複数形であり、ブルジョワジーを語源として、個人を表すものとして単数形のブルジョワが誕生したわけです。
ブルジョワジーの対義語は【プロレタリア】
ブルジョワジーには対義語が存在します。
それは、カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスが「共産党宣言」で使用した例により世間に広く普及するに至った言葉である「プロレタリア」です。
ブルジョワジーには「資本家階級」という意味があるのですが、その対義語のプロレタリアには「賃金労働者階級」という意味があります。
ブルジョワが経営者や雇い主だとすると、対義語のプロレタリアは賃金をもらって働く労働者という位置づけになります。
対義語のプロレタリアの語源は、ラテン語の「proles(プロレス)」です。
「proles」には「貧乏人」という意味があって、古代ローマでの最下層の人々を表すものでした。中世ローマの時代でも、「proles」は「その日の暮らしで蓄えのない人々」という意味で使われていました。
【番外編】ブルジョワは化粧品メーカーの名前でもある
「ブルジョワ」という化粧品メーカーがあるのをご存知でしょうか。
「ブルジョワ」には化粧品メーカーの意味もあるので、相手が化粧品メーカーのつもりで喋っていても、それを知らなかったら勘違いしてしまう可能性もあります。
知識として、ブルジョワという化粧品があることを覚えておくと安心です。
「ブルジョワ」の言葉の番外編として、化粧品メーカーのブルジョワについても説明します。
ブルジョワ(BOURJOIS)は1863年にフランス人のフランス人俳優のジョセフアルベール・ポンサンが作った化粧品ブランドです。その歴史はシャネルよりも古い老舗化粧品ブランドです。
当初は俳優仲間のために舞台用の化粧品を作っていましたが、1879年から一般向けにも化粧品を販売するようになったのです。
日本では1980年ごろから販売されるようになりましたが、質の良さと安さ、オシャレな容器などから、OLをはじめ女子高生にも人気のプチプラコスメブランドになったのです。
ブルジョワは皮肉のこもった「お金持ち」の意味
ブルジョワは、現在では皮肉の意味を込めてお金持ちを表現する言葉として使われています。ブルジョワの本来の意味や適切な使い方を知ったうえで、うまく日常生活の会話でブルジョワを使ってみましょう。