2018年05月25日公開
2019年11月17日更新
正しい授乳姿勢まとめ!楽に授乳するコツも紹介!外出時はどうする?
授乳にも正しい姿勢があるのをご存じですか?腰痛や疲労に悩まされる授乳ですが、正しい姿勢を意識するだけで、ぐんと楽になります。ママの姿勢から赤ちゃんの抱き方、クッションの使い方や外出時のコツまでおぼえたら、楽しい授乳ライフが始まります。
目次
正しい姿勢で授乳しよう
大仕事である出産を終えたら、その瞬間から育児は始まります。初乳には赤ちゃんに必要な栄養が含まれているため、母乳育児を考えているなら、「もうちょっと体力が回復してから…」というわけにはいきません。寝不足や産後の疲れもある中で、ここが頑張り時なのです。とはいえ、育児は体力勝負。苦労や痛みはできるだけ避けたいところですよね
授乳がつらい、と感じているママは、もしかしたら寝不足だけでなく、肩こりや腰痛に悩まされているのではありませんか?ひどい腰痛があるなら、授乳の姿勢が正しくない可能性があります。正しい姿勢で授乳をすれば、ママも楽になり、赤ちゃんも母乳を吸いやすくなります。正しい姿勢や楽に授乳ができるコツを学び、腰痛知らずの授乳ライフを送りましょう。
授乳姿勢も色々ある!6種類のやり方を紹介!
ママにも赤ちゃんにもおすすめの授乳姿勢は、実は一つではありません。いつも同じ姿勢だと、飲み残した母乳が詰まり、乳腺炎を引き起こす可能性もあります。姿勢を変えながら授乳することで、様々な角度からおっぱいを飲んでもらうことができるのです。すべての姿勢を実行しなければ詰まるというわけではないので、できるだけ角度を変えて吸ってもらえるようにしつつ、ママにとって楽な姿勢を見つけてくださいね。
縦抱き
縦抱きは、赤ちゃんを縦に抱き、ママの足にまたがらせるようにして座らせる授乳姿勢です。赤ちゃんがまだ小さく、おっぱいに届かない場合は、クッションなどで高さを出してあげると良いでしょう。縦抱きの際にママが足で持ち上げるようにすると、姿勢が悪くなり、肩こりや腰痛を引き起こすので避けましょう。また、赤ちゃんの首は後ろから手で支えるようにすると、しっかりと縦抱きができます。
縦抱きのメリットは、赤ちゃんがおっぱいをしっかりくわえやすいということです。乳首が短い人や陥没している人なら特に試していただきたい姿勢です。また、縦抱きなら、そのままの姿勢で楽にげっぷを出してあげることができます。デメリットは、まだ首が据わっていない赤ちゃんを縦抱きすると、ぐらぐらする頭を支えるのに力が入りやすいということです。力が入るとママも疲れてしまいますので、しんどいときは無理をしないことを覚えておいてくださいね。
横抱き
横抱きは、まだ首の据わっていない赤ちゃんを普通に抱っこする姿勢です。大切なのは、首だけをママの方に向けて飲ませないことです。体も一緒にママに向けてあげることで、自然な姿勢になります。高さが足りず腕が疲れる場合は、授乳クッションなどを使いましょう。
メリットは、ママも赤ちゃんも慣れた姿勢なので、お互いにリラックスできることです。デメリットは特にありませんが、横抱きでの授乳だと飲みながら寝てしまう赤ちゃんもいるので、その場合、げっぷを出してあげられないということがあります。
斜め抱き
斜め抱きは、横抱きの姿勢から、赤ちゃんの頭を少し起こしてあげる抱き方です。縦抱きとは違い、赤ちゃんの体は斜めの状態になります。
メリットは、横抱きの姿勢だけでは飲み残してしまう母乳も飲んでもらえることです。横抱きのままだと、飲み終える前に寝てしまう赤ちゃんも、少し頭を起こしてあげることでまた飲み始めることもあります。デメリットは、ママが腕で頭を持ち上げるので、変に力が入ると姿勢が悪くなり、肩こりや腰痛を引き起こしかねないことです。楽に授乳できるよう、授乳クッションを使ったり、背もたれにクッションを入れたりと工夫をすると良いでしょう。
フットボール抱き
フットボール抱きは、赤ちゃんを小脇に抱えるようにし、足はママの背中側、頭をおっぱい側に出して飲ませる抱き方です。フットボール、もしくはラグビーボールを抱えるような姿勢なので、フットボール抱きと呼ばれています。うまく高さが合わない場合は、クッションなどを使いましょう。
フットボール抱きのメリットは、飲み残しを飲んでもらえ、乳腺炎になりにくくなるということです。フットボール抱きなら、双子の赤ちゃんに同時に授乳することができます。デメリットは、ママがイスなどにもたれることができないので、クッションなどで調整する必要があることです。
添い乳
添い乳は、添い寝の姿勢で授乳ができるので、ママは横になれて楽な方法です。ママと赤ちゃんが向かい合わせになるように寝転がります。赤ちゃんの首だけをママの方に向けるのではなく、体ごと向けるため、背中を支えてあげましょう。
メリットは、夜中の授乳でもママが起き上がらなくて良いため、楽ができるということです。赤ちゃんがそのまま眠ってしまっても、ベッドにそっと置く必要もありません。デメリットは、赤ちゃんもママもそのまま寝てしまうことが多いので、げっぷが出せないということです。また、添い乳で眠る習慣がつくと、他の方法では眠れなくなり、卒乳が遅くなる場合もあります。添い乳でママの腕がしびれたり、腰痛がひどくなることもあります。体がつらくなるようであれば、無理に添い乳をする必要はありません。
あぐら
ある程度赤ちゃんが大きくなり、しっかり座れるようになれば、ママのあぐらの上に座らせて授乳することもできます。普通に座っていると左右のどちらかに傾いてしまったり、どちらかの肩に力が入りやすいママにはおすすめの姿勢です。高さが足りない場合は、あぐらと赤ちゃんの間にクッションを置きます。
メリットは、赤ちゃんがすっぽりおさまるので、安定するということです。ママの姿勢が左右のどちらかに傾かないということもあります。デメリットは、あぐら自体が腰や股関節に負担をかけるということです。腰痛を引き起こすようなら、控えるようにしましょう。
楽に授乳するコツは?
赤ちゃんが小さいうちは、一日に何度も授乳をします。夜中も起きて授乳するので、ママは毎日が寝不足です。肩こりや腰痛がつらくても、赤ちゃんを抱えて整体やマッサージに行くのも難しいですよね。少しでも楽に、そしてハッピーな気持ちで授乳生活を送るためのコツをご紹介します。
ママの姿勢に気を付けよう
まずは、やはり姿勢です。肩こりや腰痛を防ぐには、ママが猫背にならず、まっすぐに座ることが大切です。意識して正しい姿勢を守ろうとするよりも、壁に寄りかかったり、イスとの間にクッションを入れることで、無理なく姿勢を保てるようにしましょう。
赤ちゃんの姿勢も大切
赤ちゃんは、必ず頭だけではなく、体全体をママ側に向けるようにしましょう。赤ちゃんとママの体を密着させることで、スキンシップにもなり、お互いに楽です。赤ちゃんと目が合うようにすると、授乳の時間がより幸福感でいっぱいになります。授乳しながらスマホを触ったりテレビを観たりすることもあるかもしれませんが、目を合わせたり話しかけたりして、コミュニケーションをとることをおすすめします。縦抱きやフットボール抱きでも、赤ちゃんはママの顔を見ていますよ。
イスや授乳クッションを活用しよう
深く沈んでしまうソファは、腰痛の原因になり得ます。少し固めのイスに座ることが、正しい姿勢を保つコツです。また、イスやベッドに座って授乳をする際は、しっかりと足が床についていないと疲れてしまいます。足が届かない、爪先しかつかないという場合には、足置きを用意することがコツです。腕が疲れる場合には、ひじ掛けのあるイスがおすすめです。授乳クッションを上手に使って、赤ちゃんと密着できるようにしてくださいね。
深いくわえ方をさせるコツは?
赤ちゃんが十分に母乳を飲むため、そしてママの乳腺炎を避けるためには、深くくわえさせることが重要です。どんな赤ちゃんも、最初から上手にくわえられるわけではありません。深く乳輪までくわえてもらうには、コツがあります。まず、赤ちゃんの顔をおっぱいに対して正面に向くように支え、唇が内側に巻き込まれているようなら、外側にめくってあげましょう。深くくわえているかを見極めるコツは、赤ちゃんの口が「アヒル口」になっているかどうかです。どうしてもうまくいかない場合は、助産師さんや母乳外来で相談してみてくださいね。
帝王切開をした後の授乳姿勢
帝王切開をしたママも、すぐに授乳生活が始まります。帝王切開をすると母乳が出にくい、という声も聞きます。母乳が出るかどうかは、自然分娩か帝王切開かで変わるわけではありません。母乳が出にくいママは、自然分娩か帝王切開かにかかわらず、入院中に助産師さんに乳頭マッサージなどの手助けをしてもらうと良いでしょう。
母乳が出るから問題なし、というわけにいかないのが、帝王切開後の授乳です。帝王切開は、お腹を切る手術です。しばらくの間、ママは痛みで動くのもつらいことでしょう。それでも初乳をあげたい、母乳育児をしたいという、母性にあふれたママもいると思います。
おすすめの授乳姿勢は?
帝王切開後で起き上がるのもつらいときは、やはり添い乳がおすすめです。赤ちゃんを抱っこしなくても母乳を飲ませてあげられるので、スキンシップをとることもできます。
帝王切開後の授乳姿勢でもう一つおすすめなのが、フットボール抱きです。フットボール抱きなら、赤ちゃんの体が帝王切開の傷にあたりません。赤ちゃんをクッションに寝かせてあげれば、しっかりと抱きかかえる必要もありません。フットボール抱きの際はイスに深く腰かけることができないので、クッションを背もたれにするなどの工夫をしましょう。
看護をお願いしよう
帝王切開後は、ママの体も労りましょう。入院中なら、看護師さんや助産師さんに夜中の授乳をお任せしてしまうのも回復を早めるコツです。母乳育児が安定するまでは、ミルクで補う混合育児で良いのです。そう割り切って考えるのも、育児を楽しむコツかもしれませんね。退院後は、実の母親や義理の母親、ご主人や上のお子様も頼りましょう。育児は毎日続くものなので、帝王切開後は無理をしないことです。
姿勢を変えて乳腺炎を防ごう
乳腺炎は、熱が出て痛みもあり、つらいものです。体がつらくても赤ちゃんがいては病院へ行くのも大変ですし、育児を休むこともできません。母乳育児をしているママは、乳腺炎にならないように気を付けたいものですね。
乳腺炎を防ぐには、たんぽぽ茶やゴボウ茶を飲んだり、下着で締めつけないようにしたり、甘いものを避けたりすることもあります。そういった方法も効果的ですが、一番簡単なのは、やはり授乳姿勢を変えることです。
育児は大変なので、楽な姿勢を続けたいことと思いますが、できるなら、横抱き、縦抱き、フットボール抱きなど、赤ちゃんの姿勢を変えて授乳するようにしましょう。縦抱き、フットボール抱きも、赤ちゃんの首が据わればぐんと簡単になります。様々な角度から吸ってもらえば、乳腺炎予防になります。
外出時の授乳はどうする?
授乳生活中も、一ヶ月検診や予防接種など、外出の機会はたくさんあります。自宅以外での授乳には抵抗があるかもしれませんが、外出時も変わらず赤ちゃんを優先して授乳のタイミングをとってあげましょう。
授乳室があるか確認しよう
まずは、外出先に授乳室があるかどうかを確認しておきましょう。ネットで検索すれば、すぐにわかります。病院や大きなショッピングセンターには授乳室があるものですが、どのあたりにあるのか事前に調べておくと、外出時に慌てずに済みます。駅やスーパーには授乳室がないことも多いので、近くの施設に立ち寄れるか、外出自体を短時間で済ませられるかなど、あらかじめ対策を考えておくとベターです。
外出先の授乳室を探すなら、アプリを活用することもおすすめです。どこにあるのかだけでなく、綺麗な授乳室かどうか、個室かどうかなどを事前に知ることができます。
グッズを活用しよう
公園やカフェなど、授乳室がないところへ外出するなら、授乳ケープを用意しておくと良いでしょう。授乳ケープがあれば、人前でも授乳することができます。赤ちゃんがある程度大きくなってしまうと、ケープを嫌がったり、手を使って開けてしまうこともあるので、外出する前にご自宅で練習をしておくことをおすすめします。
外出先で授乳室を使うにしても、ケープを使うにしても、ママが手でシャツをまくりあげた姿勢を続けるのはしんどいですよね。そんなときは、授乳ストラップがあると便利です。ストラップでまくりあげたシャツを固定できるので、ママは片手が空き、食事を続けることもできます。
楽な姿勢で楽しく授乳しよう
授乳生活は、寝不足が続き疲れるものです。せめて肩こりや腰痛を引き起こさないよう、できるだけまっすぐで楽な姿勢を保ちましょう。イスと体の間にクッションを入れること、足置きを用意することが、正しい姿勢を保つコツです。
横抱き、縦抱き、フットボール抱き、添い乳など、赤ちゃんの姿勢を変えることで、乳腺炎を予防しましょう。帝王切開後なら、特に無理のない姿勢での授乳を心がけてくださいね。
ママが無理のない姿勢で楽しく授乳をすることが、ママも赤ちゃんもハッピーに過ごせるコツです。授乳生活は、長くは続きません。悔いのないよう、たっぷりと授乳の幸福感を味わってくださいね。