2018年05月23日公開
2019年11月17日更新
離乳食後期(9〜11ヶ月)を徹底解説!カミカミ期はどうする?
離乳食後期に入り、慣れてきたと感じる方も多いのでは?でもカミカミ期って実際何を食べさせたらいいの?いつから後期に移行するべき?調味料はいつから使えるの?など、後期特有の疑問も。そこで今回は、離乳食後期について改めて解説していこうと思います。
目次
離乳食後期はいつから始めればいいの?
生後9・10・11ヶ月頃からスタート
一般的に離乳食後期と呼ばれる時期はいつからなのでしょう。
赤ちゃんが生後9.10.11ヶ月ごろになるとカミカミ期と呼ばれる時期に入ります。この頃の赤ちゃんは、つかまり立ちや伝い歩きも始まり、前歯が徐々に増えてきます。1日2回の離乳食も定着し、バナナ程度のかたさなら歯茎で潰して食べられるようになります。ただ食べさせてもらうだけだった前期、中期に比べて、離乳食後期は自分で食べたい!という意欲がぐっと増す時期になるので、積極的に手づかみ食べをスタートさせましょう。
ただし赤ちゃんによって成長スピードにはそれぞれ個人差があります。必ずしも離乳食後期にこれができていないとダメ!ということはありませんので、いつから出来るようになるのかということに縛られすぎず、参考程度に留めるとよいでしょう。
離乳食後期に移行する目安は?
中期から後期に移行するタイミングっていつから?と迷う方も多いと思います。目安としては、『9ヶ月ごろに、絹ごし豆腐程度のかたさのものをモグモグして食べられるかどうか』が重要になります。モグモグするのではなく、丸のみしてしまうようであれば、後期に移行する前に硬さなどを調節して練習する必要があります。
また1日2回の離乳食が安定して食べられ、1回につき子ども茶わん半分程度まで食べられるかも目安になります。ただし元々小食な赤ちゃんもいますので、量に関してはそれほど重要視しなくてもよいでしょう。
離乳食後期の量や回数はどうすればいいの?
離乳食後期は3回食に増やそう
後期は離乳食を1日3回に増やします。いつから3回食にするかは赤ちゃんのペースにもよりますが、なるべく後期に入ったらすぐに増やしましょう。最初は1回目は10時ごろ、2回目は14時ごろ、3回目は18時ごろ、という風に4時間程度あけて、毎日決まった時間に食べさせるようにすることがおすすめです。そうすることで全体的な一日の生活リズムも整いやすく、のちのち食事時間も調節がしやすくなります。またこの時期は栄養の60~70%を食事から取るようになるため、食後の授乳も減少します。ミルクでしたら一日500mlを目安に、一日5回程度に調節しましょう。母乳の場合は、離乳食直後であれば飲めるだけ与えても構いません。
1回あたりの食事量を確認しよう
炭水化物である主食、ビタミン・ミネラルを含む副菜、たんぱく質を使った主菜に分けて献立を考えると、彩りもバランスもよいものができます。
離乳食後期の一回量は、主食は5倍がゆ90g~軟飯80g、副菜は葉物や根菜、実野菜など様々なものをトータルして30~40g、主菜は肉・魚類15g、豆腐45gを目安にしましょう。乳製品でしたら80g、卵を使用する場合は全卵の二分の一程度を使用してください。ただしどれか1品を選んだ場合の目安ですので、レシピや使用する材料によって適宜使用量を調節しましょう。
離乳食後期はどんなメニューにすればいいの?
離乳食後期からチャレンジできる食材は?
この食材はいつから使えるのかな、後期にはもう使っていいのかなと気になるところですよね。離乳食後期からスタートできる食材としては、下記のようなものがあげられます。
炭水化物:ロールパン、フランスパン、オートミール、里芋
ビタミン・ミネラル:オクラ、もやし、れんこん、アスパラガス、ひじき、長ネギ
たんぱく質:大豆、かつお、鶏むね肉、牛肉、豚肉、合いびき肉、全卵、バター
いずれもしっかりと柔らかく処理したり、加熱したり、細かくしたりと手を加える必要がありますが、後期にもなると食べられるものがより一層多様になります。バリエーションが増えるので、メニューの幅が広がりやすくなります。いつから取り入れていいのか迷う調味料類も、離乳食後期になればある程度種類が使えるようになります。ただしくれぐれも少量を心がけて。
かまぼこやハム、ちくわなど味の濃い加工品や、加糖ヨーグルトや市販プリンなど極端に甘いものは、あかちゃんの胃に負担がかかるのでやめておきましょう。
食材の固さや大きさは?
離乳食後期は、舌で潰していた中期に比べて、歯茎を使って食べられるようになる点が特徴です。そのためかたさの目安はバナナ程度にします。5倍がゆを作るとちょうどそれくらいの固さになるので、参考にするとよいでしょう。特にじゃがいもやかぼちゃなどは、柔らかく潰れやすいため噛む練習にはうってつけです。だいたい8㎜程度のサイコロ状にするとよいでしょう。他にも短いせん切りや、薄いいちょう切りなど、噛むことを意識して切り方のバリエーションをつけると、しっかりと咀嚼するトレーニングになります。
栄養バランスも考えよう
前述したように、離乳食後期は栄養の60%~70%を食事でとります。そのため栄養バランスのよい献立をしっかりと考えて、与えてあげる必要があります。特に体や脳の発達に必要不可欠な鉄分が不足しやすくなるため、レバーやホウレンソウ、肉や卵といった鉄分を多く含む食材を、意識して献立に盛り込むとよいでしょう。青のりやひじきも意外と含有量が高いのでおすすめです。
味付けは薄味で
いつから使うべきか迷うのが調味料です。離乳食後期もある程度進んで、1~2ヶ月経てば徐々に調味料も使えるようになってきます。バター、サラダ油、みそやしょうゆ、塩、砂糖など、ごく少量使うことで風味もよくなります。また月齢に合わせた離乳食用のコンソメやホワイトソースなど、市販品にも様々なものがあるので、レシピのバリエーションに困ったり、食が進まない際には取り入れてみるのもおすすめです。
ただしあくまで薄味を心がけて。離乳食時期に味の濃いものを習慣づけてしまうと、将来的にも生活習慣病に繋がる恐れがあります。
具体的なレシピ例を紹介!
ここでは毎日の献立でも使いやすい、離乳食後期におすすめのメニューをご紹介します。野菜スティック鮭を使ったレシピや、パンを使ってサンドイッチ、お味噌汁など、忙しいお母さんにも簡単に作れるものになっていますので、ぜひ献立に活用してくださいね。
野菜スティック
離乳食後期に入って、はじめての手づかみ食べに挑戦するときに取り入れやすいのがこの一品。にんじんや大根を7㎝程度の長さに切り、柔らかく茹でます。またさつまいもやじゃがいも、かぼちゃなどの芋類でも作ることができますが、荷崩れに注意する必要があります。材料ごとに作るのが大変な場合、大きさをそろえて切り、一気に茹でてしまうのもありです。フリージングもできるので、忙しいときでもさっと献立に盛り込めるところがうれしいですね。
パン
パンを使ったレシピでおすすめなのは、スティックパンです。耳を切り落とした8枚切りの食パンを、トーストするだけであっという間に主食の完成です。みんなの朝食を作るついでにさっと準備できるので、忙しい朝にも負担になりません。また少量のバター、牛乳、砂糖を使ってフレンチトーストにしたり、チーズをのせてチーズパンにしたり、薄くケチャップを塗って、チーズや玉ねぎと一緒に焼いたピザトーストもおすすめ。レシピのバリエーションも広がりやすく、手軽に手づかみ食べをさせられます。
また市販のベビー用ホワイトソース・チーズ・パン粥を使えばパングラタンにも。
またパンの間に具を挟めばサンドイッチにもなります。手も汚れにくく食べさせやすいところが嬉しいサンドイッチですが、一口にサンドイッチといっても、定番の卵やツナのフィリングから、チーズや野菜など様々です。サンドイッチにいろんな具を挟むことでバリエーションが広がります。サンドイッチのパン自体を可愛く型抜きすれば、見た目も楽しく食卓がにぎやかになりますね。
サンドイッチから具がぽろぽろとこぼれてしまう場合は、ロールサンドイッチにするのもおすすめ。
お食事系のサンドイッチだけでなく、デザート感覚で食べられる、バナナサンドイッチなどの甘いサンドイッチも。果物はもちろん、かぼちゃやにんじんを使った野菜ジャムなら、野菜が苦手な赤ちゃんでも食べやすくなります。
味噌汁
手軽に野菜をたくさん取れるところがうれしい味噌汁。毎日味噌汁を食卓に並べるご家庭もあるのではないでしょうか。食べる機会の多い味噌汁だからこそ、インスタントの顆粒だしではなく、鰹節や昆布を使った天然だしを使って、体にも優しいお味噌汁を目指しましょう。一回にたくさん作ってフリージングしておけば、毎回だしを取る必要もなくなり便利ですよ。
どうしても忙しい!という場合には、市販品の離乳食用顆粒だしを利用するのがおすすめです。お茶碗にだし、少量のお味噌、茹でたお野菜を投入すれば手軽に味噌汁の完成です。
離乳食後期では、野菜は歯茎でモグモグできる程度のかたさを目安に、角切りやみじん切りにしましょう。トマトを使った味噌汁や、噛み切りにくいきのこ類を細かくして味噌汁に入れると、苦手な子でも食べやすくなります。また定番のお豆腐味噌汁、小さい肉団子を入れて肉団子味噌汁にすると、たんぱく質も補えます。
芋類から呑み込みにくい葉物野菜まで、一度に食べられる味噌汁は栄養バランスを整えるのに一役買ってくれます。
鮭
鮭は良質なたんぱく質やビタミン類がたくさん含まれており、離乳食にはおすすめの食材です。ただし塩鮭や甘塩鮭は塩分が高いので使うのはNG。生鮭を選んで献立に盛り込みましょう。
離乳食後期からは鮭と牛乳を使ってミルクシチューにしたり、野菜と一緒に煮込んでスープ煮にすると、良いおだしが出るので汁物としても使えます。また加熱してほぐした身を5倍がゆや軟飯に混ぜ、一口サイズにすれば鮭おにぎりになり、手づかみメニューにも。卵と一緒に炒って鮭チャーハンにしたり、鮭とお野菜と味噌を一緒に煮込んで鮭のちゃんちゃん焼きなども食欲をそそる一品です。刺身用の鮭を使うと包丁を使わずに調理できるので、ムニエルなども簡単にできます。骨の取りこぼしの心配もありませんね。
おにぎり
手づかみの献立として、一番オーソドックスなおにぎり。いろんな野菜を混ぜたおにぎりや、肉や魚を混ぜたおにぎりは、栄養面でも抜群。
おかかとチーズのおにぎりや、鉄分も補えて一石二鳥の青のりをまぶしたおにぎり、きな粉と少量の砂糖をまぶしておはぎ風おにぎりなども、変わり種としておすすめです。
一口サイズのおにぎりをたくさん作るのが大変…という方は、100均にも売っている蓋付き製氷皿を使ってみましょう。小さめサイズの製氷皿に5倍がゆや軟飯を入れて、蓋が外れないようしっかりと抑えてフリフリすれば、あっという間に一口おにぎりの完成です。これなら時短にも繋がりますし、一度にたくさんおにぎりができて便利ですね。
離乳食後期のポイントや注意点もチェック!
赤ちゃんの食べムラはどうすればいい?
離乳食も後期になると、多かれ少なかれ赤ちゃんにも中だるみが出てきます。
・昨日まで食べていたものなのに急に食べなくなった
・量が減った
・たくさん食べる日と食べない日の差が激しい
体重がきちんと増えていれば食べムラがあってもそれほど心配する必要はありませんが、やはり食べてくれないと気になりますよね。
そういう場合は、いつもの献立に味や風味の変化をつけてみたり、食材の切り方に変化をつけてみるのもよいでしょう。固さが柔らかすぎたり、固すぎたりという場合もあるので、茹で時間を調節してみるのもおすすめです。また挑戦したことのないレシピを取り入れてみると、案外同じ食材でも食べてくれたりするので、中だるみが来たなと感じたら新しいレシピを模索してみるのも一つです。
時間を決めて食事をとることが大切
仕事などの関係で忙しい保護者の方も多いかと思いますが、なるべく決まった時間に離乳食をあげることが理想です。食事時間を決めることで、その後のお風呂や就寝もある程度リズムが付きやすくなり、結果的に一日の生活リズムが整うことにも繋がります。
3回食の時間が定着して来たら、徐々に時間を広げて大人と同じ食事時間になるよう調節します。
食べムラや遊び食べでダラダラしてしまうようであれば、食事時間は30分と決めて、それを過ぎてしまうようであれば、残っている量に関わらず食事はおしまいにしましょう。
赤ちゃんの自由に食べさせてあげよう
離乳食後期に入り、手づかみ食べの練習をすることで、赤ちゃんの発育にとても良い影響を与えます。五感を刺激することで脳の発達を促すため、出来る限り献立に取り入れましょう。
最初は赤ちゃんの握り安いスティック状にするのがおすすめです。前述した野菜スティックやスティック状にしたパンだと持ちやすく、簡単に準備できるのでお母さんも取り入れやすいレシピです。他にサンドイッチやおにぎりなど、汚れにくく、主食として出せるお手軽レシピがたくさんあります。
最初から上手に口へ運べるというわけではなく、握ったり潰したり、ぐちゃぐちゃにしたり、一見遊び食べにも見えるかもしれませんが、最終的に口に入れてモグモグしているようであれば、可能な限りでかまいませんので赤ちゃんの自由にさせ、ゆっくり見守ってあげましょう。全く食べるそぶりも見せないというのであれば、食事の終了時間を決めて区切りをつけます。
周りを汚されると困る…という方は、レジャーシートを引いたり、新聞紙を引いたりすると後片付けも簡単です。毎食とまではいかなくとも、一日一食は手づかみメニューを目標に献立作りができるといいですね
アレルギーには引き続き注意!
離乳食後期になって、食べられる食材もぐっと増えてきますが、引き続き注意したいのが食物アレルギーです。
はちみつは乳児ボツリヌス症になる恐れがあるため、1歳未満には与えてはいけません。またエビ、カニ、そばなど、特定原材料に指定されているものには特に気をつけたいですね。
ただ、保護者が必要以上に除去食を実施することは栄養不足にも繋がるため、あまりおすすめできません。いつからあげていいのかわからず、心配なのであれば医師と相談して、少しずつ取り入れましょう。
冷凍保存やベビーフードを上手に活用しよう
働いていらっしゃる方や、ご家庭の事情などで、離乳食に時間をかけられない!という方もおられるでしょう。その場合はフリージングやベビーフードを活用していくことも大切です。離乳食の献立のことを考えすぎて毎日憂鬱、イライラ…となってしまっては、赤ちゃんにもお母さんにもよくありません。
手づかみのレシピでも、おやきやハンバーグ、ホットケーキなど冷凍可能なレシピがたくさんありますので、時間のある時に多めに作っておくとよいでしょう。
離乳食後期は赤ちゃんの食欲を育もう!
いかがでしたか?離乳食後期は、手づかみ食べという、前期・中期から一歩進んだステップにあがる時期です。自分で食べる意思を育てることで、楽しくたくさん食べるということにもつながります。
食べムラや汚れなど、いつからきちんと食べられるのかなと不安になるかもしれませんが、気負いすぎず気長に待ってみましょう。
なかなか大変だと感じる方も多いでしょうが、離乳食も後半戦。大人と同じものを食べられるまであと一息ですので、自分なりの工夫や試行錯誤を重ねながら、赤ちゃんもお母さんも満足のいくスタイルを見つけられるとよいですね。