2021年08月02日公開
2021年08月02日更新
ウオノエ(タイノエ)とは?鯖の口に寄生する虫【閲覧注意】
ウオノエ(タイノエ)をご存知でしょうか?魚の口に寄生する強烈な寄生虫なのですが、意外と見た目は可愛いのに、やっていることは迷惑千万なウオノエ(タイノエ)。一度寄生されるともうどうしようもない凶悪寄生虫なのに、実は食べると美味だという謎の寄生虫をご紹介します!
目次
ウオノエ(タイノエ)って何?
出典: http://www.paddleguy.com
上から見たウオノエ(タイノエ)の画像。白くてかわいらしいですよね。
ウオノエ科は魚の寄生虫の科で、アジ、タイ、サヨリ、ハリセンボン、鯖などの口に寄生します。
寄生されると血液や体液を吸われますので、魚は貧弱になりやすい、恐ろしい寄生虫です。
魚が死ぬと口から出てきて違う宿主を探すのですが、稀にスーパーマーケットに売られているお魚の口からひょこっと出てくることもあるのだとか。
怖いですね。
出典: http://www.paddleguy.com
ひっくり帰ったウオノエ(タイノエ)。セミのような足をしていますね。
ウオノエは見る人によっては可愛らしい寄生虫。
魚からすれば大きいかもしれませんが、私たち人間からすればそんなに大きくは無く、貧弱な存在です。
まだまだ研究が進んでいないため、様々な研究機関が頑張って詳細を調査中です。
ウオノエ(タイノエ)の衝撃動画
こちらは魚の口からピンセットでとりだしたウオノエの動画。
魚からすればかなりビッグサイズになりますので、かなりの害虫ですよね。
寄生虫によっては寄生されることで魚に利をもたらすものもいますが、ウオノエは魚からすれば百害あって一利なしなのです。
魚の口から出てきたので、まな板の上にとりだされたウオノエ。
魚からすると害でしかないウオノエは、私達の精神的にも害になりますね。
こんなのが買ってきた魚の口から出てきたら怖すぎます。
食べられません!
かなり弱ったウオノエが口から出てきたところを映した動画。
口のサイズに対してかなり大きいですよね!
こんなサイズのウオノエが、口の中で害をばらまきまくっているのです。
ここまでウオノエの恐ろしさと害虫っぷりを紹介してきましたが、そんな害虫は実はあまり強くありません。
こちらの動画ではテナガエビのいる水槽に数匹のウオノエをいれていますが、テナガエビに即捕食されてしまっています。
魚からすれば厄介な存在も、強きものからすれば餌でしかないのですね!
ウオノエ(タイノエ)はダイオウグソクムシの親戚
出典: http://bunsuirei8019.blog93.fc2.com
超巨大ダンゴムシみたいだと言われる、ダイオウグソクムシ。ウオノエ(タイノエ)と確かに似ていますね。
ウオノエはダンゴムシみたいな外見をしていますよね?
実は超巨大ダンゴムシだと話題のダイオウグソクムシとウオノエは親戚で、ダイオウグソクムシはウオノエ亜科なのです。
ウオノエがあんなに大きくならなくて良かったとホっとします。
出典: http://bunsuirei8019.blog93.fc2.com
ダイオウグソクムシのから揚げ。実はダイオウグソクムシは食べると超美味しいのです!
実はダイオウグソクムシは食べると超美味しいのだとか。
口の中に甘さが広がり、エビやカニを彷彿とさせる味や、卵がいっぱいつまったシャコのようだという表現もあります。
その親戚であるウオノエの味はやはり美味なのでしょうか?
ウオノエ(タイノエ)の寄生のやり方
出典: http://blog.goo.ne.jp
魚のエラにとりつき、そこから口の中に入って魚が死ぬまで生活をします。
動きのあまり早くないウオノエ。
ウオノエの寄生のやり方は、まず魚のエラにへばりつくところから。
そして口の中に進入し、まずは自分の住むスペース作り。
魚の舌部分から体液や血液を吸い、舌を萎縮、または壊死させます。
そして、あたかも魚の舌のように暮らすのです。
出典: http://ajifun.com
寄生された鯵の画像。横から内部を見るとこんな風になっています。鯵の頭のサイズに対してでかすぎませんか。
ウオノエは一旦住み着くと、魚が死ぬまでずっと暮らします。
通常はオスメスペアで住み、出産や子育ても全て魚の中。
魚は永久に栄養を運んでくれる最高の乗り物になってくれます。
また、ウオノエは最初はオスメスと決まっていないらしく、最初に口の中に入ったらメスになるという変わった生態をしています。
ウオノエ(タイノエ)は舌切り虫とも呼ばれる
出典: http://d.hatena.ne.jp
ウオノエ(タイノエ)は宿主の舌から体液や血液を吸い、萎縮させることで自分がいるスペースを確保します。
ウオノエは先述の通り、まず魚の舌を萎縮させてから住みますので、下切り虫などとも呼ばれてきました。
一度口の中に入ったら最後、魚自身の力では絶対にとれません。
画像でも、沢山ある足で舌をしっかり掴んでいますよね。
出典: http://www.paddleguy.com
ウオノエ(タイノエ)が寄生してしまうと、もう魚自身ではとることが出来ません。
ウオノエが住み着けばあとは魚に出来ることは一生懸命栄養をとることだけ。ウオノエにとられる分まで稼がなきゃいけないので、大変です。
基本的には魚は衰弱していく傾向にあるそうですが、結構大人になるまで生きていることを思うと、ウオノエも栄養をとりすぎず、良い具合に栄養を頂いているのでしょうね。
ウオノエ(タイノエ)は昔、縁起の良い寄生虫だった!?
出典: http://sekaino-bukimi.com
実は昔はウオノエ(タイノエ)がいると縁起が良かったとされています。
昔でも珍しい生き物かもしれませんが、それを「縁起が良い」とした昔の人は凄いですね。
現代の私達が見ると衝撃でしかないウオノエ。
ですが実は昔の人はウオノエがいると縁起が良いと思ったのだそうです。
ウオノエは別名タイノエとも言いますが、漢字で書くと鯛の餌と書きます。
縁起の良い魚である鯛が連れた時に鯛の口にタイノエがいたりするので、タイノエも縁起が良いものとされたのでしょうね。
出典: http://inaina.blog.jp
こんな姿を見て縁起がいいから喜べというのは無理がある気がしますが・・・。
しかし現代は信仰の薄い時代。
縁起なんて気にする人は減ってしまいましたよね。
ですので、タイノエがいても喜べる人なんてあまり残っていません。
むしろタイノエがいたら縁起が悪くて捨ててしまいたいくらいかもしれませんね。(笑)
ウオノエ(タイノエ)は人に寄生する?
出典: http://usi32.com
ウオノエ(タイノエ)は人に寄生するのでしょうか?
ウオノエは魚の口の中にいるので、外からは分かりません。
ですので、誤って調理してしまうことも普通にあるようなのです。
ちゃんと頭をとる料理であれば問題ないかとは思いますが、鍋などでお頭ごといれた場合、あとからウオノエが浮かんでくるかも・・・?
出典: http://sisteroku.blog.jp
調理方法によっては間違えて食べてしまう危険性もあるウオノエ(タイノエ)。ですが、人に寄生することはなく、食べても無害です。
心配なのは人にも寄生するのか?ということですが、それは心配いりません。
ウオノエは人には寄生しないのです。
もし寄生したとしても、絶対に気づけますし私達なら自分でとれますので、そういった意味でも心配いりませんね。
ウオノエを食べる機会があまり多くはないかとは思いますが、もし間違って食べることになっても問題ありませんのでご安心下さい。(笑)
ウオノエ(タイノエ)は実は食べると美味らしい
出典: http://ikimono-ikimono.cocolog-nifty.com
ハリセンボンを鍋で調理していたら、ついでにウオノエ(タイノエ)も調理してしまったので食べてしまった画像。鳥の丸焼きのような味がしたそうです。そして美味いらしいですね。
ダイオウグソクムシも美味なのだったらウオノエも食べると美味なのか?ということなのですが、やはり美味しいらしいです。
食べてみた人は鳥の味がして美味しかったと表現する人もいます。
食べる勇気が素晴らしいですね。
出典: http://ikimono-ikimono.cocolog-nifty.com
こちらはホラアナゴに寄生した、ウオノエ(タイノエ)の仲間のホラアナゴノエ。ホラアナゴノエも同じく美味しいのでしょうね。
ダイオウグソクムシも美味、ウオノエも美味となれば、ウオノエの親戚はきっとみんな美味なのでしょう。
魚の体液や血液をずっと頂いて暮らしているのですから、そう考えると美味しそうですよね。
ウオノエ(タイノエ)は鯖の口にいると鯖の餌(サバノエ)?
出典: http://www.geocities.jp
色んな魚のお口の中にいるウオノエ(タイノエ)。鯖の餌になって、鯖の口いたら鯖の餌(サバノエ)?
ウオノエは漢字で書くと魚の餌。
タイノエは鯛の餌。
ホラアナゴもホラアナゴノエ。
じゃぁ鯖の口にいたら鯖の餌になるのか?ということなのですが鯖の餌にはならないようです。
鯖の餌にならないのはなぜでしょうか?
出典: http://scienceplus2ch.blog108.fc2.com
皆大好きな鯖。気兼ねなく食べる為にも鯖の餌(笑)がいないか注意しましょう。
鯖の餌(サバノエ)と呼ばないのに、その他の魚の餌シリーズはちゃんと呼ぶようです。
トビウオノエやホラアナゴノエ、フグノエなどです。
鯖にも結構ウオノエはいるのに鯖の餌(サバノエ)だけ何故呼ばないかというと、鯖にいるウオノエは独特のものではなく、他の魚の口にもいるものと同種なので、特にサバノエとは呼ばないようです。
まとめ~ウオノエ(タイノエ)がいたら喜ぼう~
今回のウオノエ(タイノエ)まとめはいかがでしたでしょうか!
私自身、ウオノエ(タイノエ)の存在を初めて知ったので本当に驚いてしまいました。
こんな奇妙な、でもどこか可愛らしい寄生虫が魚の口から出てきたら、もう調理する気なんてなくなってしまいそうです。
海から引き上げる時に魚の口から出てしまうことも多いようなので、もしかすると私達の食べている魚は、元ウオノエの大家さんだった魚かもしれません。
そう考えると本当に怖くなってきますね。
しかし食べても問題はなく、逆に美味しいらしいのでご安心下さい!