2021年08月02日公開
2021年08月02日更新
TATP(過酸化アセトン)とは?『サタンの母』と呼ばれる爆弾の威力
過酸化アセトンなどから作られる「tatp」と呼ばれる爆弾はかなりの威力です。「tatp」は過酸化アセトンで手軽に作れるなんて言われていますが、爆薬であることを忘れてはならないと思います。「サタンの母」がテロに使われない時代が来ることを信じたいですね。
目次
別名「サタンの母」と呼ばれる爆薬とは?
出典: http://ma2news.com
サタンの母は、日常にある物で作れちゃう?
tatpは、過酸化アセトンから作られる?
ドイツの科学者が19世紀末に発見した「tatp」は、自家製で作れる爆薬のことです。
tatpを作るには、過酸化アセトンや過酸化水素水、硫酸、塩酸などを、分量を正確に計り混ぜるだけで出来てしまうんだとか。
材料を混ぜ合わせると、白い粉が出来ますが、これが素になって、起爆装置を取り付けるだけで、簡単に爆薬が出来てしまうんですね。
家にある材料から出来るとまでは行きませんが、割と簡単に自作出来る爆弾ということで、昨今話題になっています。
というのも、今問題になっているISもまた、これらの爆弾を作って、テロをしているらしいんですね。
別名「サタンの母」なんて呼ばれることもあり、威力が高いのに、作り方は簡単というのも、ISが利用している理由かも知れませんね。
製造工程などをネットにアップしただけでも、犯罪になることがあります。
なぜなら、tatpは、爆弾には違いないからです。
爆薬を所持するだけでも捕まるのは当たり前ですが、この威力や怖さを知っておくことも、今の世界情勢では必要なことなのかも知れません。
ちなみに、「tatp]というのは、「トリアセトントリパーオキサイド」の略称です。
この前のマンチェスターのテロも少しの前に起きたパリとブリュッセルでのテロでも、爆弾として使われたのはTATP。通称過酸化アセトン。これの特徴はなんといっても日常的に購入できるもので作りだせるということ。日本でも度々逮捕者が出てたりする。
— 永井陽右 | アクセプト・インターナショナル (@you___27) June 6, 2017
別名「サタンの母」はテロにも使われている?
出典: http://www.sankei.com
サタンの母は、テロにも使われている?!
過酸化アセトンから作られる「tatp」はテロリストの武器にも!
製造過程が簡単で、すぐに手に入る材料で作れてしまう高性能爆弾「tatp」は、テロリストの武器にもなりえます。
威力が高く、製造しやすく、しかも殺傷能力が高いと、テロリストにとっては嬉しいことばかりなんですね。
「tatp」は、別名を「サタンの母」と呼ばれています。
日本語に訳すと「魔王の母」ですね。
日常にある材料で作れてしまう「サタンの母」は、ISなどのテロリストは好んで利用すると言います。
それはそうですよね。
製造が簡単で、材料もすぐ揃って、破壊活動にも有効なわけですから。
「tatp」を発見したドイツの科学者にとっては、これが良かったのか悪かったのかわからないですが、爆薬を作り上げてしまった責任は、少なからずあると思います。
ノーベルのダイナマイトは、工事現場でも利用できますが、「tatp」は純粋に爆弾ですから、破壊活動にしか使えないんですから。
最近では、フランスのパリやシリア、イラクなど、戦場で使われることも多い「tatp」
IS以外のテロも使用しているらしいので、「tatp」の使用を禁止する法律が出来てもおかしくないと思うんですが…
ちなみに、日本では所持しただけで逮捕されるみたいです。
パリでのテロ事件記事を見てたら「サタンの母(TATP)」が気になり調べた。過酸化アセトンってそこらで売ってる原料で作れるんだ、それも90gで平屋が吹き飛ぶとか、事故も多く報告されているらしい。日本は武器入手が難しいので比較的に安全かと思っていたが、爆弾テロは要注意と分かった。
— 平井的な静物画🍀 (@yasushihirai) November 15, 2015
過酸化アセトンから作られる「tatp」は、自爆ベストにも!
出典: http://www.newsweekjapan.jp
サタンの母は、テロリストの自爆ベストにも使われる?
パリで発生した同時多発テロは、記憶に新しいことかと思います。
実はパリでの同時多発テロでも、「tatp」の爆薬が使われていたそうです。
襲撃犯が皆「tatp」の爆薬が詰まった、自爆用のベストを装備していたそうで、サタンの母と呼ばれる「tatp」は、前述したようにテロが好んで使っていたことが、明らかになったわけです。
自爆攻撃をするために、襲撃者が皆同じ爆薬を、もっと言えば「tatp」を巻き付けたベストを着ていたなんて、恐怖ですよね?
テロリストの手に渡さない方法は、何かないものでしょうか?
テロに使える安価な爆弾を防ぐ方法が、早く解明されてくれると良いんですが…
フランス警察は、パリ近郊のIS関係者の隠れ家で爆薬1,3キログラム、カラシニコフ自動小銃5丁、ピストル7丁、TATP爆薬105グラム、爆弾のための起爆装置を押収。ISがパリで去年11月のような、大規模かつ悪質なテロを計画していたことは明白。いったい、フランスはどうなっているのか?
— 熊谷 徹 (@ToruKumagai) April 2, 2016
「tatp」が手軽に作れると言うのは嘘?:その1
出典: http://minkara.carview.co.jp
過酸化アセトンで手軽に爆薬が作られると言うのは、嘘だった?!
「tatp」に必要な過酸化アセトン
過酸化アセトンから作られる「tatp」ですが、実は言うほど簡単には作れないそうです。
というのも、航空機を爆発させるくらいの量の「tatp」は、素人には作れないらしいんです。
過酸化アセトンばかりがクローズアップされますが、過酸化水素も材料の一つで、それを適当な濃度で、しかも爆弾を作るのに必要な量を揃えるのは大変だと言います。
確かに、過酸化水素水は、薬局で簡単に手に入りますが、その成分の97%は水らしいんですね。
ということは、濃度を得るためには、蒸発させないといけないわけで、その段階ですでに、普通の家の中で作るわけにはいかないんです。
これだけを取っても、「tatp」が家で手軽に簡単に作れるものではないことがわかります。
ただ、「tatp」に必要な過酸化水素水を手に入れることが出来れば、その場合は、「tatp」を家で簡単に作ることも可能になります。
以下に、更に詳しくご紹介していきます。
スペイン襲撃、民家でガスボンベ120本発見 犠牲者に7歳男児も
— ken (@ken04095288) August 21, 2017
トラペロ本部長は、民家から爆薬「TATP」(過酸化アセトン)」の痕跡が見つかったことも明らかにした。TATPは「サタンの母」とも呼ばれ(IS)による攻撃で使われることが多い。今回の襲撃でもISが犯行声明を出している pic.twitter.com/CiCAFYOQDI
「tatp」が手軽に作れると言うのは嘘?:その2
出典: http://curininngu.seesaa.net
過酸化水素水が爆薬に使われる?!
「tatp」に必要なのは、過酸化アセトンだけではない?
では、「tatp」の製造過程で、過酸化水素水が手に入った場合はどうかと言うと、こちらは簡単に作れます。
過酸化水素水の濃度が合っていれば、物理的には爆薬を製造することは可能だからです。
とは言え、充分な過酸化水素水や過酸化アセトン、硫酸が薬局で手に入ったとして、それを飛行機に持ちこむことが可能かというと、うーんと首をひねります。
もし持ち込むとしたら、検査で引っ掛からないように、ソーダ水の瓶などに入れるという方法が考えられますね。
ただ、この場合も、液体の新鮮さが大事になりますので、かき混ぜたりするための色々な道具を準備しないといけません。
ファーストクラスに乗って、シャンパンを頼むことでも、液体の新鮮さを保てるらしいですが、テロがファーストクラスに乗れるだけの財力があるかと言うと、こちらもうーんと首をひねります。
高温になると爆発してしまう「tatp」は、氷などを上手く使いながら、トイレなどに持ち込み、低温に維持しないといけないので、これも困る所ですよね。
つまりは、国外に「tatp」を持ちこむのは、非常に困難です。
だからこそ、テロは襲撃場所に近い場所で、「tatp」を製造するわけですね。
「tatp」が簡単に作れるものではないというのは、この要因もあります。
もし無事に目的地に着いたとしても、迅速に行動しないと液体の鮮度が下がりますし。
爆弾を容易に作るのは、やはり素人には無理な相談なんですね。
もっとも、素人が簡単に製造出来る爆薬なんて、あったら困りますが。
ベルギーのテロ・・・
— 黒奴@失礼拙者RC大好侍 (@raphaelisbest) March 24, 2016
アジトからアセトンと過酸化水素水が見つかったそうだが、TATPかよ。ファイブオーで取り上げられてたばっかり。
「tatp」が手軽に作れると言うのは嘘?:その3
出典: http://www.secu354.co.jp
「tatp」は、簡単には作れない?!
過酸化アセトンだけがあっても、爆薬は作れない?!
「tatp」が手軽に作れると、製造過程を教える動画なども問題になっていますが、実際に作るとなると、その指導だけでは不十分で、やはり手軽な作り方とは言えないそうです。
というのも、作り方を見てみても、混合物に過酸化水素水などの酸を加えると、発火して爆発する恐れがあるからなんですね。
前述したように、「tatp」を作ろうと思ったら、混合液を低温に保つ必要があります。
それは、混合物が熱くなると、それだけで爆発してしまう、危険な爆薬だからなんですね。
「tatp」は、製造技術がない人が作ると、自身を危険にさらしてしまう怖い爆薬です。
「tatp」が爆薬であることを忘れると、大変なことになってしまうのは当たり前ですが、一部の爆薬マニアの間では、人気がある爆薬でもあります。
安易な気持ちで爆薬を製造すれば、それが爆発を起こしてしまう可能性もあります。
作り方を動画で見たくらいで、簡単に作れる物という考えは、失くした方が良いです。
テロが作っていることからもわかりますが、威力があるからこそ、「tatp」を利用しているんだということを、念頭に置いておくべきだと思います。
愛知県一宮市の男性は去年2月、自宅で高性能爆薬「TATP」約0.5グラムを製造した疑いで書類送検されました。東京地検は20日、この男性について不起訴処分としました。
— Yasu (@yasu_yasuno_sa) April 21, 2017
「tatp」が手軽に作れると言うのは嘘?:その4
出典: http://www.ekouhou.net
過酸化アセトンだけが材料ではないんです。
過酸化アセトンなどは、薬局で手に入る?
「tatp」は、薬局で買える素材で作れるそうですが、詳しい作り方などはわかっていません。
当たり前と言えば、当たり前ですね。
一般家庭で、爆薬を作れるようになったら、たまりませんので。
ただ、「tatp」は、素材は以下の三つの材料で作れると言います。
●適度に濃縮された過酸化水素水
●過酸化アセトン
●硫酸
実は、これこそが薬局で簡単に手に入る素材なんです。
とはいえ、前述もしましたが、適度に濃縮された水素水を手に入れるのは困難です。
硫酸に至っては、洗剤によっては、大量に含まれているので、こちらは入手が簡単です。
アセトンも、マニキュア落としに含まれているので、こちらも入手は簡単ですね。
ですので、材料自体は、簡単に手に入ってしまうんです。
国外に持ち出すなどの危険を犯すのでなければ、自宅で作ろうと思ったら、作り方だけわかれば、一応作れてしまうのが、「tatp」の怖い所です。
ただ、素人ではなく、科学実験のプロでも、誤爆する恐れがあるということなので、その意味でも、「tatp」の作り方が例えわかったとしても、遊び半分に作って良いものではないということですね。
【爆薬製造動画 法適用の問題点】爆薬TATPを製造し動画を投稿するなどして男が書類送検された事件にみる、法適用の問題点。爆発物の単なる製造は禁止されず。
— 話題のニュース速報☝ (@geinou_news_pic) March 30, 2017
「tatp」が手軽に作れると言うのは嘘?:その5
出典: https://plaza.rakuten.co.jp
日本でもテロが?!
安易な考えで、爆薬を作ろうとすること自体が、犯罪なのでは?と個人的には思いますが、実際に日本で作っている人はいるみたいです。
基本的に日本において、単なる爆発物を作ることは禁止されています。
ですが、一部の爆薬マニアの間では、この「tatp」は話題に上るのも事実です。
ただ、やはり爆薬ですので、「tatp」の製造中に事故が起きることも多いと言います。
両手首が無くなってしまったり、失明や、最悪命を落とすことにもなりかねません。
そして、日本の法律がそうであるからとか以前に、爆発物を作って、犯罪を犯すことは、かなりの重罪になることを頭におけば、安易に爆薬を作ることはないはずです。
動画に作り方を流したとして、逮捕された人もいたようですが、作り方をネットに流すのも重罪である意味を知っておくべきだとも思いました。
TATPの作り方が載ったサイトがしれっと消えていたりハンズからも注射針が消えたり
— 猫耳工廠 (@nekomimikoushou) June 14, 2017
最近だと警察の指導によりアセトン買うなら署名と用途の説明を求めますとか
たとえ合法でも「配慮」を求められることは多々ありますね。
「tatp」がテロに使われた?!2005年のロンドンテロの概要
出典: http://www.sankei.com
2005年のロンドンテロを覚えていますか?
過酸化アセトンで作れる爆弾は、威力も脅威!
2005年にロンドンで起きた同時多発テロでも、「tatp」がテロによって使用されました。
覚えている方も、もしかしたらいらっしゃるかも知れません。
テロ専門家のお話によると、「tatp」は比較的手に入りやすい材料が使われているために、警察などが検知しにくいという話です。
ただ、消毒においては、過酸化水素水以外でも、消毒は出来るのに、わざわざ過酸化水素水を持っているということは、わざわざ疑われる材料を家に置いた時点で、個人的にはOUTだと思います。
学生時代に、過酸化水素水で、髪の毛の色を抜いている人もいましたが、過酸化水素水自体に殺傷能力はなくても、威力がある爆薬に使われていることを、知っておく必要があるかも知れませんね。
高性能爆弾TATP 過酸化アセトン。今回のテロで自爆ベストに巻きつけられていた。過酸化水素、アセトン、塩酸など日本でも薬局で購入できるもので製造可能。2005年のロンドンテロ、2007年の西武線テロ未遂などでも使用されていた。
— うちのネコが… (@kyougokuin) November 21, 2015
「tatp」のテロを起こそうとした日本人が逮捕!
出典: http://news-informatlon-1.seesaa.net
威力があるとされていましたから。
2016年(12月3日)に、日本の岐阜県で自爆テロを起こそうとした日本人が逮捕されました。
警察が調べたところ、男は白い粉を所持しており、男が「アセトンだ!」と叫んだことから、「tatp」が問題視されたんですね。
男が叫んだ途端に、県警はすぐに住民を避難させたのことです。
もし、「tatp」を所持していたとしたら、その威力は凄まじいものになりますから、県警の判断は間違っていないと思います。
爆発物処理班が、検査した所、「tatp」であることがわかり、男は緊急逮捕された模様です。
パリの同時多発テロが起きた後でもあったことから、「tatp」の知識は共有されていたんですね。
男は「爆発物取締:罰則違反」で捕まりましたが、もし捕まっていなかったら、日本でもテロが実行される所だったかもと思うと、恐ろしいですね。
今回フランス同時多発テロで使われた自動小銃の規制はできるはず。それと爆弾に使用された「魔王の母」と呼ばれる火薬「TATP(トリアセトンリパーオキサイド)」製造薬品の規制。この2つは重要。日本でも同じ。
— 一二三 (@nunonofuku123) November 17, 2015
「tatp」は、爆薬の類では、比較的簡単には作れますが、素人が手にして良いものではありませんし、テレビなどでも「tatp」の威力は、分かっているはずです。
ISを肯定する方も、いらっしゃるかとは思いますが、彼らのやっていることまでも肯定するのは、個人的にどうかと思います。
爆薬が格好良いと言う方も、もしかしたらいらっしゃるかも知れません。
でも、爆薬は爆薬です。
使わないから良いだろうと言うことには、決してなりません。
「tatp」を安易に製造する人が、これから無くなることを祈ります。