暴力団が要求する「みかじめ料」の実態とは?相場や対策について

みかじめ料とは任侠映画やニュース番組などでたまに耳にする用語です。みかじめ料を簡単に言うと店舗が暴力団に支払うお金を意味しています。意味を知ると恐ろしい存在ですがみかじめ料の相場や断り方などはあるのでしょうか?みかじめ料の実態に迫ってみました。

暴力団が要求する「みかじめ料」の実態とは?相場や対策についてのイメージ

目次

  1. 1みかじめ料とは?
  2. 2みかじめ料の意味
  3. 3みかじめ料に対する対価
  4. 4みかじめ料の相場
  5. 5みかじめ料を拒否したら
  6. 6みかじめ料への対策
  7. 7みかじめ料の断り方
  8. 8みかじめ料への警察の対策
  9. 9みかじめ料に関する事例
  10. 10みかじめ料について:まとめ

みかじめ料とは?

出典: http://www.boutsui-osaka.or.jp

みかじめ料とは暴力団組織が活動するための資金源です。暴力団は自分達の事務所がある地域の周辺を縄張りにしていて自分達が管理するという目的を持っています。そのため自分達の縄張りの中で店を営業している一般市民あるいは新規出店した人達に対して土地代もしくは用心棒代としてお金を請求します。これをみかじめ料と呼びます。

みかじめ料とは土地代・用心棒代

出典: https://newsplus1.net

みかじめ料の別名は「挨拶料」「ショバ代」「守料(もりりょう)」などという呼び方もあります。暴力団は自分達の組織の勢力を維持あるいは拡大するために長きに渡ってみかじめ料を徴収してきました。
暴力団がみかじめ料を要求する時は店の用心棒をするという名目を使用しています。その際にみかじめ料を支払った店に対して本当に用心棒の役割をこなす事もあれば、大した役割もなさないあるいはありがた迷惑な行為をすることもあります。暴力団がみかじめ料を徴収する本当の目的は金稼ぎなので、みかじめ料への対価はかなり曖昧です。

みかじめ料の意味

「みかじめ=3日締め」説

出典: http://www.police.pref.fukushima.jp

「みかじめ料」という言葉の由来は諸説あります。それはみかじめ料を暴力団に支払う期日が毎月3日と決まっていたという事や、みかじめ料の請求から3日以内に支払わないといけないという決まりがあったという由来などの「みかじめ=3日締め」という意味があると言われています。しかしはっきりとした由来は定かではありません。

飲食店は特に多い

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暴力団がみかじめ料を請求するのは自分達の縄張りの範囲内にいるバーやスナックなどの飲み屋、キャバクラやソープランドや風俗店などの水商売、パチンコ屋や麻雀店などのギャンブル関連の店などがありました。特に大手チェーン店ではなく自営業の店はみかじめ料の対象になりやすい傾向にあります。
暴力団がみかじめ料を請求する際は入店して「ここはうちの組織が仕切っている土地だ!」「勝手に商売を始めるな!」などという言いがかりをつけて営業主に直接要求します。

みかじめ料に対する対価

出典: http://seikatsu244.jp

みかじめ料は用心棒代という建前なので、暴力団はみかじめ料を支払った店の警護をしたり何らかの形で店に携わります。基本的には暴力団の構成員が店内に入り浸って問題を起こした客のトラブルを暴力などで解決する事が多いです。

用心棒に対する費用

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真っ当な営業を行っている店ならば店内のトラブルは警察に通報すればいいだけなのでみかじめ料を払ってまで暴力団の厄介になる必要はありません。
しかし売春やギャンブルなどの違法行為を行っている、あるいは法律のグレーゾーンに引っかかっている店は警察を呼ぶと店の営業が出来なくなってしまう恐れがあります。なので警察を介入させずに店内のトラブルを解決するためにみかじめ料を払ってでも暴力団に頼ることがあります。
中には新規出店する際に自分から進んでその地域の暴力団の事務所に出向いてみかじめ料を支払いに行く人もいたようです。

みかじめ料の相場

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暴力団はみかじめ料として金品を徴収します。みかじめ料の相場は各暴力団や店によって違いがありますし、公に公開されているわけでもないのではっきりとした相場はありません。

相場は5万円

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ただし噂によるとみかじめ料の相場は毎月5万円なのだそうです。あくまでも相場の噂なのでこれ以上高いみかじめ料を支払っている店もあるでしょうし、みかじめ料に期限も無いので相場の金額を延々と支払い続けている店もあるかもしれません。

みかじめ料を拒否したら

みかじめ料は本来払う必要のない金額ですし、そもそも暴力団とも関わりたくないと考えるのが普通です。ではみかじめ料を拒否したらどうなるのでしょうか?

暴力行為に出る

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任侠映画などでよく見かけるシーンではみかじめ料の支払いを拒否するあるいは支払いが出来なくなったら店内で暴力行為を始めます。そしてみかじめ料支払うか現金以外の金銭的価値のある物を見つけるまで暴力行為を続けます。
暴力団は相手に恐怖を植え付けることを商売としているので、みかじめ料を拒否してもそのまま引き下がることはありません。

直接的な暴力だけじゃない

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あるいはみかじめ料の支払いを拒否した店に対して暴力行為以外の嫌がらせを行う事もあります。例えば店の営業時間内に明らかに暴力団組織だと分かるような服装で押し掛けて長時間店に入り浸ったり、店の壁に落書きをしたり、店の周辺にゴミをまき散らすなどして営業の邪魔をして来ることが多いです。そしてそれらの嫌がらせは店主がみかじめ料支払うまで続きます。

みかじめ料への対策

出典: http://www.asahi.com

みかじめ料を支払うと暴力団と関係を持つことになってしまいますし、支払いを拒否したら嫌がらせが始まってしまいます。みかじめ料を支払わなくていいような対策はあるのでしょうか?

暴対法で取り締まる

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昔はみかじめ料への対策が全く施されていなかったので一度暴力団に目を付けられた店主は泣き寝入りするしかありませんでした。しかし現在は暴対法という法律によってみかじめ料を始めとする暴力団の威力行為への対策を取っていますのでみかじめ料による被害は大分減っています。

みかじめ料の断り方

暴力団に押し掛けられてみかじめ料を請求されたら基本的には拒否する手段はありません。ですがなるべくならみかじめ料も払いたくないですし暴力団とも関わりたくないものです。ではみかじめ料の断り方はあるのでしょうか?

みかじめ料の断り方:警察に通報

出典: https://www.pref.yamanashi.jp

特別な断り方はありませんが、スグに警察に通報する事が一番まともなみかじめ料の断り方だと思われます。昔はみかじめ料などの暴力行為に対して取り締まる手段が無かったので警察を断り方として利用することは出来ませんでしたが、現在は暴対法がありますのでスグに警察に頼ることが出来ます。
ただし、これは真っ当な営業をしている店に限ります。法律に触れる様な違法行為またはギリギリの営業を行っている店にはみかじめ料の断り方は無いと思えます。

みかじめ料への警察の対策

出典: http://www1a.biglobe.ne.jp

みかじめ料に対する警察の対策として暴対法が制定されました。暴対法は平成4年に新たに制定された法律で、みかじめ料を「暴力的要求行為」の一つと見なします。それによりみかじめ料の請求を行った暴力団に対してその行為の中止命令を出すことが出来るようになりました。
これによりみかじめ料による被害は激減したと言われています。

暴対法とは?

みかじめ料を拒否できる唯一の手段です。

暴力団の構成員による暴力的な要求行為を規制し、暴力団の対立抗争による市民への危険を防止する措置を講ずることなどによって、市民生活の安全・平穏を確保することを目的として制定された法律。平成4年(1992)施行。暴対法。

正式名称は「暴力団対策法」

出典: http://www.kyoto-np.co.jp

昔はみかじめ料や借金の取り立てなどによって暴力団組織が幅を利かせていましたが、現在は暴力団の活動を法律で禁止しているので以前に比べれば暴力団関連の事件は聞かなくなりました。

みかじめ料に関する事例

暴対法の制定によって暴力団によるみかじめ料の請求は減少しましたが、それでも暴力団によるみかじめ料関連の事件は無くなっていません。そこで2017年に発生したみかじめ料による暴力団の逮捕事例をご紹介します。

銀座の逮捕例

出典: http://www.sunroute-ginza.jp

今年(2017年)に銀座界隈の飲食店からみかじめ料を徴収していたとされる指定暴力団山口組系組長を含む8人の暴力団組織の構成員が逮捕されました。警視庁幹部曰くみかじめ料による被害総額は全店合わせて合計で最低5千万以上、未確認の金額も合わせると1億円を越えている可能性もあると報告しています。

梅木寿史容疑者

出典: http://yagoolab.jp

今回の件で逮捕されたのは山口組2次団体の「国粋会」の傘下団体組長の梅木寿史容疑者(54歳)を含む7人の暴力団員です。この8人の暴力団によって平成25年4月から平成29年4月までの4年間で銀座の店舗複数件に対して「毎月5万円、盆休みに2万円、年末に3万円」のみかじめ料を徴収していました。その間のみかじめ料の合計金額は約340万円です。

出典: https://www.youtube.com

梅木寿史容疑者らによるみかじめ料の請求は平成21年から始まっており、銀座界隈の約40店舗の店を対象として8人で役割分担しながら活動・継続していました。
梅木寿史容疑者らは店からみかじめ料を徴収するだけでなく、周辺を巡回しながら店の近くに駐車した車に対して駐車料金として数万円を要求したり、自分達の縄張りでの無許可の客引きに対しても数万円のみかじめ料を要求するなどしていました。

みかじめ料について:まとめ

出典: http://www.asahi.com

今回はみかじめ料についてご紹介しました。みかじめ料は昔から暴力団が縄張りの範囲内の店に対して土地代、用心棒代と称して不当な金額を要求する行為でした。現在は暴対法の制定によって昔よりもみかじめ料に関するトラブルは減少しましたが、それでも昔の名残からみかじめ料を要求されている店もあるようです。
それはつまり暴力団の勢力が弱まっているものの、今でも社会の裏側に存在しているという証拠と言えるでしょう。

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