2021年07月21日公開
2021年07月21日更新
『ビスマス鉱石』の結晶が自宅で作れる!作り方まとめ【人口結晶】
虹色に輝くビスマス鉱石の結晶。このビスマス結晶はなんと自宅でも作ることができるんです!今回はビスマス鉱石からビスマス結晶を作る方法をご紹介します。ビスマス結晶づくりは夏休みの自由課題に実験したい人にも、鉱物集めを趣味にしたい人にもおすすめです!
目次
ビスマス鉱石の結晶は自宅でも作ることができる
出典: http://www.kaseki7.com
漫画「宝石の国」がアニメ化することもあり、なにかと話題の鉱石。
鉱物専門店やセレクトショップに並んでいるけれど、ただ眺めるだけ……。
欲しいけど手が出ない……。
そんなあなたに朗報です。なんと自宅で作れるものがあるんです。
今回はその中でもビスマス鉱石の結晶の作り方をご紹介します。
結晶化させたビスマスを使ったアクセサリーもあります。
夏休みの自由課題の実験にもおすすめです。
ビスマス鉱石って?
出典: https://ja.wikipedia.org
ビスマス鉱石とは、元素であるビスマス(原子番号83、Bi)から構成された銀白色の鉱石のことです。
その鉱石が結晶化してできたものがビスマス結晶です。
天然で産出されることもありますが人工的に作り出すこともできます。
ビスマス元素が発見されたのは1753年。
クロード・F・ジョフロア というフランスの薬学者が、当時鉛と混同されていたビスマスが鉛とは異なる元素であるということを突き止めました。
それ以来、ビスマスは医薬品や超伝導体として使われています。
人工的に作られたビスマス結晶
出典: http://kirakirakoubou-shop.com
結晶の形が特徴的なことからコレクターに大人気のビスマス結晶。近未来的な人工都市やゲームに出てくる神殿のような形をしていますね。
自然な状態ではあまり美しい色ではないビスマス鉱石ですが、ミネラルショーや標本として飾られているものは虹色のものがほとんど。
一般的に展示販売されているビスマス結晶は人工的に一度鉱石を溶かし再結晶化させることで作られています。
他の鉱石と比べてビスマスは融点が低いため再結晶させやすいのです。
人工的に作られる結晶が虹色なのは空気中の酸素と反応してできる酸化膜によるものです。
色のついている結晶は人工的に作られたものなのですね。
ビスマス結晶の材料
材料①ビスマス鉱石
出典: http://www.tin-alloy.com
人工でビスマス結晶を作るには元となるビスマス鉱石が必要です。
融点の高い鉱石は溶けるのに時間がかかるため、なるべく早く融点に達するよう細かいチップ状のものをおすすめします。
入手方法…ホビー用材料としてビスマスチップが販売されています。鉱物の専門店などで販売されています。インターネットでも購入できます。
値段…100グラム1000円ほどで売られています。
材料②ビスマス鉱石を溶かすためのステンレス製のフライパン
出典: https://www.amazon.co.jp
ビスマス鉱石を溶かすためのフライパンを用意します。ビスマスの融点は271.4度であるため、それよりも融点の高いステンレス製のものを使用します。
入手方法…ホームセンター、インターネットなど。市販のもので大丈夫です。実験中は高温になるため安全に扱えるものを選びましょう。溶かした鉱石を器に流し込む作業があるので、口のついたものを推奨します。
値段…800円から3000円のものまでまちまちです。あまりにも安すぎるものを使用すると安全に実験できない可能性があるので、値段もそこそこのものを選んでください。
「わざわざ買う必要があるの?」と思う方もいるかもしれませんが、調理用のフライパンで鉱物を溶かすのは衛生面で心配ですよね。結晶化に失敗しないためにも未使用のものをおすすめします。
材料③ビスマス結晶を育てるための器
出典: https://bargain-life.shop-pro.jp
溶かした鉱石を流し込むので、こちらもステンレス製のものが良いです。
入手方法…フライパンと同じで、調理用品として一般的に売られているものを使用します。ホームセンターかインターネットで購入しましょう。
値段…500~1000円ほど。
材料④やけど防止のためのグローブ
出典: https://www.amazon.co.jp
溶かした鉱石はもちろんのこと、フライパンや器は大変高音になります。
やけどをしないためにグローブをして実験するようにしてください。
入手方法…ホームセンター、インターネット上で販売されています。
値段…安いもので1500円ほどです。安全性の認められるものを購入しましょう。
材料⑤ビスマス鉱石の入った器を持つためのトング
出典: https://www.amazon.co.jp
結晶化したビスマス結晶を取り出す時に使用します。
入手方法…ホームセンター、インターネット上で販売されています。
値段…2000~3000円ほど。
材料⑥コンロ
出典: https://www.amazon.co.jp
調理用の家庭コンロでもできますが、金属を溶かす実験ですので必ず屋外で行ってください。
入手方法…ホームセンター、インターネットなど。
値段…2000~4000円ほど。
その他必要なもの…安全ゴーグル
出典: https://www.amazon.co.jp
溶けたビスマスが万が一飛び跳ねた場合の対策です。
入手方法…ホームセンター、インターネットなど。
値段…300~700円ほど。
ビスマス結晶を作ってみよう!
準備ができたところでさっそくビスマス結晶の作り方を見ていきましょう!
①フライパンでビスマス鉱石を溶かしていく
ビスマス鉱石をフライパンに入れて火にかけます。
ビスマスの融点は271.4度です。溶け始めるのを気長に待ちましょう。
②溶けきったビスマス鉱石を育成用の器に流し込む
溶けたビスマスが飛び散らないよう慎重に作業してください。
③ビスマス結晶の表面が固まるのを待つ
表面が固まりはじめ、色がついてきたら結晶をトングで取り出します。
結晶が完全に冷え切ったら完成
完全に冷ますために十分な時間を置きましょう。
冷えた結晶は青や紫色になっていれば実験成功です!
実験中の注意点
作り方はいたってシンプルなビスマス 結晶ですが、実験をするうえでいくつかの注意点があります。安全に実験するためにも以下の3点は守るようにしてください。
溶けたビスマスが飛び散らないように気を付ける
融点の高いビスマスは300度ほどの熱を持っています。
特に小さなお子さんと実験する場合は、冷め始めて取り出すまで火のそばに近づけないでください。
必ず屋外で実験する
自宅でも作ることが出来る結晶ですが、金属を溶かすことに変わりはありません。風通しの良い屋外で実験しましょう。
ステンレス製以外の容器は使わない
アルミ製のものやメッキのされているフライパンや器を使用すると、酸化膜がうまく形成されず、色がつきません。
また、ビスマスよりも融点の低いものを使用すると器のそこが抜ける可能性があり、とても危険です。
ステンレス製のものを使用するようにましょう。
結晶を大きくするには
せっかく結晶を作るなら、なるべく大きくしたい。
そんな風に思う方もいるのではないかと思います。
結晶を大きくする作り方にはいくつかコツがあります。
結晶を大きくするコツ①純度の高い鉱石を使う
出典: http://www.ne.jp
純度の低い鉱石を使用すると溶けた鉱石がうまく結晶化しません。
結晶を大きくするために純度の高い鉱石を使用するようにしましょう。
結晶を大きくするコツ②使用する道具に汚れがないか確認する
結晶を人工的に作ろうとすると、どうしてもフライパンや器に付いているほこりや汚れが溶けた鉱石に混じってしまいます。①と同様、鉱石の純度を保つため、使用する道具に異物が付いていないか確認してから実験するようにしましょう。
結晶を大きくするコツ③ピンセットでつまむ
出典: https://i0.wp.com
結晶化している途中で、ピンセットやトングなどを使用し、できてきた結晶を慎重に上へ引っ張ると結晶が大きく育ちます。
この時、溶けたビスマスがはねないよう注意してください。
ビスマス結晶を使ったアクセサリーの例
自分で作ったビスマス結晶。
飾っておくだけでも綺麗ですが、ひと手間加えてアクセサリーにしている人もいます。
簡単!ビスマス結晶とクリスタルレジンを使ったアクセサリーの作り方
出典: https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net
ビスマス結晶を使ったアクセサリーはたくさんあります。
今回はその中でも簡単に作ることができるクリスタルレジンを使ったアクセサリーの作り方をご紹介します。
使用するもの
①作った結晶
アクセサリーにするので、なるべく小さめの結晶を使用します。
出典: https://static.minne.com
②クリスタルレジン
クリスタルレジンは透明な液体樹脂です。キーホルダーやペンダント―、指輪などのアクセサリーを作る時に使用します。手芸用品店やインターネットで購入できます。
最近では100円均のお店でも販売されているそうですよ。
出典: https://cdn.hands.net
③クリスタルレジンを流し込むための土台
クリスタルレジンを流し込むための土台となるものを用意します。
結晶を置いてクリスタルレジンを流し込むだけで指輪ができるものや、ペンダントになるキットなどがあります。
結晶は形が不安定なので小さなうつわ状の土台をおすすめします。
出典: http://www.strawberry-nice.co.jp
④アクセサリーにするためのチェーン、ストラップ用のヒモなど
ペンダントにする場合は40㎝~45㎝ほどのネックレス用チェーンを、ストラップにする場合はストラップ用のヒモを用意します。
作り方①作ったビスマス結晶を土台にセットする
作った結晶を土台にセットします。
この時、結晶が土台のうつわに入りきらない場合、結晶の形が壊れない程度に小さく砕きます。
作り方②結晶の載った土台に、クリスタルレジンを流し込む
結晶をセットした土台の上からクリスタルレジンを流し込んでいきます。
レジンが固まってしまわないうちにピンセットやつまようじなどで結晶の位置を調整します。
作り方③レジンを固める
クリスタルレジンは自然光で固めることができるので、結晶の位置が定まったらそのまま日の当たるところに置いておきます。
クリスタルレジンは完全に固まるまでに1日ほどかかります。
作り方④お好みで、ペンダントやストラップに
レジンが固まって、土台から外せるようになったら完成です。
ペンダントにする場合はチェーンを、ストラップにする場合はヒモを通すなどして自分だけのオリジナルアクセサリーにしてみてください。
おわりに
ビスマス結晶の作り方、いかがだったでしょうか。
「これならできそう!」と思われた方はぜひこの夏チャレンジしてみてください。
大きな結晶を作るにはどうしたらよいか、というテーマで実験したら自由研究にもなりますし、自分で作った結晶をアクセサリーにしてみるのも良い思い出になりそうですね。