アレイスター・クロウリーの生涯とは？【最も有名な魔術師】

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皆さんはアレイスター・クロウリーという人物をご存知でしょうか？漫画や小説、アニメのキャラクターとして知っているという人もいるかもしれませんが、アレイスター・クロウリーというのは、世界で最も有名な魔術師として名を馳せている一方で、その悪名高さについても世に知られています。

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※画像はイメージです

では、アレイスター・クロウリーは、どのようにして魔術師となり、その悪名を広めていったのでしょうか？今回はアレイスター・クロウリーが魔術師として過ごした生涯や名言、またアレイスター・クロウリーが題材となっている漫画や小説のキャラクターなどについてもご紹介したいと思います。

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若い頃のアレイスター・クロウリーの写真

アレイスター・クロウリーは、漫画や小説の題材となっており、魔術師や食人鬼などの異名が付けられているため、架空の人物であると思っている人もいますが、アレイスター・クロウリーは実在しており、オカルティストや魔術師として名を馳せています。実在するアレイスター・クロウリーは、「法の書」や「トート・タロット」と呼ばれるタロットの解説書や実際のタロットカードなどを出版、販売したことでも有名です。「法の書」については後程ご紹介します。

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トート・タロット

トート・タロットとは、アレイスター・クローリーがデザインを行い、女流画家フリーダ・ハリスが絵を担当したタロットカードのことを言います。1944年にアレイスター・クローリーがタロットの解説書を出版するのですが、中々タロットカードの販売までには至らず、1969年になってようやくタロットカードとして「トート・タロット」が発売されたそうです。

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トートタロットのカード

トート・タロットは黄金の夜明け団の教義を基に作られたタロットなのですが、アレイスター・クローリーの独自の解釈なども入っているため、黄金の夜明け団との相違点もかなりあるようです。トート・タロットはタロット愛好家の間でも非常に高い商品で、複雑で象徴的な絵柄が特徴です。

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アレイスター・クロウリーは、イングランドのウォリックシャーという州で生まれました。両親は非常に厳格なエクスクルーシブ・ブレザレンス（保守的なキリスト教グループ）であったため、アレイスター・クロウリーは同じ宗派の寄宿学校に入学させられました。

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しかし彼は、寄宿舎で宗教的に虐待を受けていたようで、これをきっかけにキリスト教に対する嫌悪感を抱くようになりました。虐待によって衰弱したアレイスター・クロウリーは、叔父の手によって救い出された後、亡くなった父の莫大な遺産を受け継いで様々な学校に入学しますが、どれもすぐにやめています。

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黄金の夜明け団入団当時のアレイスター・クロウリー

いかにも魔術師のような恰好をしています

やがてケンブリッジ大学に進学したアレイスター・クロウリーは魔術と錬金術に興味を持つようになりました。そこで魔術師結社「黄金の夜明け団」に入団することになります。ちなみに「黄金の夜明け団」とは、フリーメイソン系の団体に所属していた会員がイギリスで結成したオカルト結社です。金色の夜明け団に入団して以降、アレイスター・クロウリーは更に魔術を勉強し、魔術師アレイスター・クロウリーが誕生します。

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※画像は黄金の夜明け団のイメージ画像です

しかし、黄金の夜明け団の教義はアレイスター・クロウリーには簡単すぎたようで、彼の生意気な性格も手伝って黄金の夜明け団の中で孤立していきます。しかし、一方で黄金の夜明け団に所属していたアラン・ベネットという人物と同居生活を送るほど親密な関係を築いています。

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やがて黄金の夜明け団は内部で争いが頻繁に起こるようになります。アレイスター・クロウリーは、当時の首領マグレガー・メイザース側についていましたが、ことごとく作戦を失敗してしまい、最後には全てを投げ出して旅行へと旅立ち、メイザースとの仲も険悪になってしまいました。

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日本語版「法の書」

その後アレイスター・クロウリーは、ローズ・ケリーという女性と結婚しハネムーン先のエジプトで「法の書」を執筆することになります。アレイスター・クロウリーは、妻に魔術を見せようと召喚の儀式を行ったところ失敗、しかし妻が神懸かりの状態に陥り、アレイスター・クロウリーに告げた言葉を書き記したものが「法の書」だと言われてます。因みに、法の書の口述者は、アレイスター・クロウリー自身の聖守護天使とみられるアイワスという知性体だと言われています。

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法の書に記されている内容は、「汝の意志することを行え」という考えを基にしたテレマという哲学やテレマを使ったテレマ魔術の内容について書かれています。キリスト教的な倫理観を排し、己の真の意志が望むものを実現させるため、厳しく自らを律していくことを説いており、日本で例えるならば禅の精神などに似た部分があるようです。また、法の書には、キリスト教を辛辣に避難している部分もあるそうです。

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※娘の写真はイメージです

法の書を書き終えたアレイスター・クロウリーは、その後儀式秘密結社AA（銀の星）団を設立させます。このAA団は徐々に団員が増え、全盛期には80人ほどの団員がいるほど大きな勢力となりました。しかしその一方で、アレイスター・クロウリーの娘が死んでしまい、それが原因で妻のローズと険悪な関係になってしまいます。二人の間には二人目の娘が生まれましたが二人の溝は埋まらず、離婚してしまいました。また、この頃から性魔術にも興味を示すようになったそうです。

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バーバラ・ブッシュ

アメリカ大統領のファーストレディーであり、またアメリカ大統領の母としても有名ですが、実は噂では、アレイスター・クロウリーの娘ではないかと言われています。

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性魔術に関する本

性魔術は本が出版されているほど有名な魔術のようです

性魔術とは、魔術や宗教の儀式において行われる性行為のことを示しており、性魔術は精神的なつながりのために行われることが多いのだそうです。性魔術を行う方法としては、性的興奮、または絶頂に達するエネルギーを儀式に利用することで何かを具現化させたり、目的を達成するというものがあります。性魔術は前提として、性的なエネルギーが現実を超越する巨大な力だという考えから成り立っているそうです。

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性魔術に使われる性的なエネルギーは確かに、本能的であるため自己を超越できる力と考えるのは自然なことかもしれませんね

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娘のイメージ画像

二度も娘を失ったことは、アレイスター・クロウリーにとって非常にショックな出来事だったようです

やがてアレイスター・クロウリーはイタリアに「テレーマの僧院」という修道院を作ります。しかし、当時愛人との間にできた娘を病気でなくしてしまいます。二度目の娘の死はアレイスター・クロウリーに大きな衝撃を与えたそうです。さらに修道院で弟子が食中毒になってしまいますが、彼は弟子を自分の魔術で回復させようとして死亡させてしまいました。

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魔術的葬式のイメージ

娘さんも魔術式の葬式で弔ったのでしょうか？

彼はその後弟子を魔術式の葬式で弔いましたが、これが地元マスコミから大きな非難を浴び、国外退去を命じられてしまいました。元々AA団を作ったころから悪名が広まっていたものが、この事件により決定的なものとなってしまったようです。また、この頃アレイスター・クロウリー自身も魔術にドラッグを使用していたせいで、中毒症状がひどくなっていたようです。

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その後もアレイスター・クロウリーはさきほど少し触れたタロットカードの作成など精力的な活動を続けます。また晩年のアイレスター・クロウリーは昔の美青年ぶりからすっかりと変貌しお腹の出た中年男性になっていましたが、それでも女性には非常にモテていたそうです。

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晩年のアレイスター・クロウリー

この容姿で女性にモテて性魔術を施す体力が残っていたというのは驚きです

そのため、新しい愛人を作っては性魔術を施したり、娘ほどの女性を愛人にしたり、娘か息子かは分かりませんが、子供を設けたりとかなり精力的に活動していたようです。しかしそんなアレイスター・クロウリーも遂に1947年心筋退化及び慢性気管支炎でこの世を去りました。

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アレイスター・クロウリーは、生涯の中でいくつかの名言を残してます。その名言をご紹介します。


【名言1：いくら外に理由を求めても、内なる確信には至らない】
この名言はアレイスター・クロウリーが人間の本質が魂にあるという考えを持っており、魂の奥底では神様とつながっているのだと信じていたことから全ての現象や答えなどは外に求めるのではなく、瞑想などによって魂と対話することが大切だという意味のようです。

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【名言2：すべての男女の関係は、星の関係である】
この名言については、アレイスター・クロウリーが占星術の影響を強く受けていることが考えられます。占星術は星の位置などを元に未来などを占っていくもので、元々人の運命というものは星の位置によって全て定められているという考えからこのような名言が生まれたようです。

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法の書

【名言3：汝の欲する所を為せ、それが法となる】
この名言がアレイスター・クロウリーの名言の中で一番有名かもしれません。この言葉は先ほども紹介したアレイスター・クロウリーの著書「法の書」に記されている文言で、キリスト教的な倫理観を排し、内なる自分の意志に従って生きるべきだという教えを説いています。

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D.Gray-man

D.Gray-manはアニメ化もしています。左奥の人物がアレイスター・クロウリー三世です。

最後におまけとして、アレイスター・クロウリーを題材とした作品やキャラクターについてご紹介したいと思います。D.Gray-manとは、2004年～2009年に「週刊少年ジャンプ」、2009年～「ジャンプスクエア」で連載されているダークファンタジー漫画です。

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アレイスター・クロウリー三世

どことなく実在するアレイスター・クロウリーに面影が似ています

あらすじは魂と悲劇を元に作られる破壊兵器AKUMA（アクマ）を使い世界を終焉へと導びこうとする「千年伯爵」と主人公アレン・ウォーカーらエクソシストたちが世界を救うために激しい死闘を繰り広げる、という話で、その作品の中でアレイスター・クロウリー三世という人物が登場します。

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アレイスター・クロウリー三世

アニメ版

アレイスター・クロウリー三世は主人公たちと共にエクソシストとして活躍しています。アレイスター・クロウリー三世は、アレイスター・クロウリーの孫という設定なのですが、作中でもアレイスター・クロウリーは実在した人物としてアレイスター・クロウリー三世に古代の植物などを残し、世話を頼んで亡くなっています。また「お前は一生この城で花の世話をしているのが幸せなのだ」などの名言も残しています。

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アレイスター・クロウリー三世自身は語尾に「である」と付けるなどの古めかしい言葉づかいをする一方で非常に気弱な性格をしています。アレイスター・クロウリー三世は、鋭い歯が対AKUMA武器になっており、猛毒であるAKUMAの血に対して耐性を持っており、対AKUMAに対してのみ「吸血鬼」になれるという強さを持っています。

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戦闘モードのアレイスター・クロウリー三世、精神的にも強さが変わります

また、普段のアレイスター・クロウリー三世は気弱で強さとは無縁の人物なのですが、一度戦闘モードに入ると髪の毛が逆立ち、凶悪な顔つきになり、精神的にも強さを持つ戦士となります。エクソシストたちの中ではあまり強さなどは目立たない人物ですが、AKUMAの毒を中和できるという唯一無二の特性を持っているという強さがあります。

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もう一つアレイスター・クロウリーが登場する作品として「とある魔術の禁書目録（インデックス）」があります。「とある魔術の禁書目録（インデックス）」は、鎌池和馬により2004年から刊行されているライトノベル小説で、現在単行本44巻、2014年時点で発行部数1500万部を超えている超人気作品です。

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左が主人公の上条当麻条、左が禁書目録（インデックス）

話のあらすじは、超能力が科学的に解明された世界に存在する巨大な学園都市に住む主人公上条当麻の元に禁書目録（インデックス）と名乗る純白のシスターが現れ、この世界には魔術の世界が存在することを告げます。こうして主人公上条当麻は科学と魔術が交差する世界へと足を踏み入れていく・・・というような内容です。

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アレイスター=クロウリー

作品での表記はアレイスター・クロウリーではなく、アレイスター=クロウリだそうです。魔術師としての強さは作品1と言われていますが、現在は生命維持装置の水槽に逆さまに入っています。

「とある魔術の禁書目録」に登場するアレイスター・クロウリーは、主人公たちが住む学園都市の理事長を務めています。通常はビルの中にある生命維持装置の水槽に浮かんでいますが、以前は世界最高最強の魔術師であったため強さ的には最強クラスと考えられています。その強さや目論見からラスボスとの噂も絶えない人です。また、実在したアレイスター・クロウリーとは違い、現在は魔術を憎んでいるそうです。

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強さなどは史実に則って作られていますが、外見は男性にも女性にも子供にも老人にも見えるという設定なので実在のアレイスター・クロウリーとはかなり違うようです。

この「とある魔術の禁書目録」に登場するアレイスター・クロウリーは、魔術師としての強さや妻の名前が「ローズ」であったり、複数回結婚していること、「メイザース」が登場するなど実在した人物の名前が頻繁に登場し、実在した史実を非常に忠実に再現していることが分かります。実在したアレイスター・クロウリーは最後まで魔術を愛していたという点については異なっていますがアレイスター・クロウリーをモデルにしたキャラクターとしてはその強さも含めて一番実在の人物と似ているのではないでしょうか。

世界一有名な魔術師アレイスター・クロウリーについて調べてみたところ、法の書やトートタロットの作成など世界一という名に違わぬ功績を残していたことが分かりました。またその一方で弟子の死亡や性魔術、ドラッグなど悪名の名にも違わぬ問題を多く起こしていたことも分かりました。しかしこれからも、よくも悪くも、アレイスター・クロウリーという名前は今後も人々の記憶や歴史に刻まれていくことでしょう。皆さんも魔術などに興味があれば調べてみてはいかがでしょうか？